立憲民主党に続いて、12日からは自民党でも新しいリーダーを選ぶ党内選挙が始まりました。9人の候補が乱立していますが、報道を見る限り、介護制度の改善に触れた方はいなかったようです。「団塊の世代」が全員90歳以上となる2040年に向けて介護の需要は増える一方です。これに応えられる体制を作ることは、高齢者のためだけでなく、現役世代の「介護離職」を防ぎ、経済や社会を維持発展させるためにも極めて重要です。
この点、2015年に安倍政権は「介護離職ゼロ」を目標に掲げていました。にもかかわらず、介護離職は直近の調査結果がある2022年でも年間10万人を超えていて、むしろ増えつつあります。自民党政権に期待できない介護の分野について、現在、立憲民主党では「中長期ビジョン」をまとめるべく作業中です。私も地元の介護事業者の皆さんと対話を重ね、三つの観点から介護制度の改善に取り組む必要があると考えています。
一つ目は、介護を利用するお年寄りのための改善です。今年度から訪問介護を行う事業者への基本報酬が引き下げられ、廃業や撤退が増えています。しかし、できる限り長く、慣れ親しんだ我が家で暮らし、顔見知りの人と付き合えるようにするには、訪問介護が欠かせません。立憲民主党では、3年後の報酬改定の時期を待たずに速やかに訪問介護の報酬を引き上げられるようにする、「訪問介護緊急支援法案」を国会に提出しています。
二つ目は、介護で働く人たちのための改善です。政府の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、介護職員の月々の現金給与は、全産業の平均額と比較して8万円以上低くなっています。立憲民主党では、全産業の平均額を目指して着実に処遇改善を行うため、「介護・障害福祉従業者処遇改善法案」を国会に提出しています。また、資格を取って介護分野に就職した人の学費を減免する仕組みや、介護現場の重労働を減らすためのITやロボットの導入の支援は、政府でも取り組んでいますが、さらに充実させるべきです。
三つ目は、介護事業者のための改善です。人手不足が深刻化する中、介護事業者から人材仲介業者に支払う多額の手数料が経営を圧迫しています。ハローワークの機能を充実させると共に、民間企業による介護職員の有料職業紹介は、手数料に上限を設けるなど規制を強化する必要があります。また、要介護度が改善すると事業者の報酬が減る現状の制度を見直し、良いサービスを提供する事業者の報酬を引き上げる仕組みも検討するべきです。
11日に伺った盛岡市内の介護施設では、ベトナムから来日して介護福祉士の資格を取った若い女性が「お年寄りとカラオケするのが楽しい」と、笑顔で働いていました。利用者、働く人、事業者の「三方よし」の介護制度に向けて、政策を練り上げていきます。