9、10日の二日間にわたり、衆議院の「地域・こども・デジタル特別委員会」が岩手県央を視察。私を含め、全国から総勢9名の議員が参加しました。初日は、盛岡市で知的障がいのあるアート作家に光を当てる「ヘラルボニー」社に伺った後、町有地を活用して補助金に頼らず魅力ある施設を運営する「オガール紫波」を視察。二日目は、八幡平市で「ハロウ安比校」を訪問後、岩手町の保育施設を見学しながら関係者と意見交換、という行程でした。
各地では、こどもの減少による廃校の増加や、保育士と園児が減少する中で特別の配慮が必要なこどもの増加といった厳しい条件に直面しながら、地域の活性化を目指していました。その取り組みを見て、切実な要望を聴けたことは、参加した議員にとって大変有意義でした。
そして、もっとも印象に残ったのが「ハロウ安比校」です。「ハロウスクール」の本校は、チャーチル首相も学んだ創立450周年を超える英国の名門私立校です。世界から集まった11歳から18歳の生徒たちが寮生活を送りながら「自然と学ぶ卓越した教育」によって成長していきます。2年前に開校し、10年後には全校で900名規模になるようですが、現在は250名程度です。9月の新学期からは、生徒数が330名程度に増えて出身国も13か国から27か国になるとのことで、これまでのところ学校経営は順調のようです。
ちなみに、生徒のうち約4割が日本人で岩手県の子弟は3名と聞きました。年間の学費が約900万円にも上るため、一般家庭にとっては「高嶺の花」ですが、さすがにそれだけのことはあります。開放的で学習意欲を高めるような教室や実験室、豊富な蔵書に囲まれて学習できる図書室、寮の仲間とテーブルマナーも学びながら三食を共にする食堂、芝生のグラウンドや温水プール、トレーニングジムなどが完備された体育施設、さらには演劇などに使われるライブスタジオなどが、広大な敷地内に安比高原の風景と溶け込むように設置されていました。日本の大学を上回るような充実ぶりに、参加した議員たちはみな驚いていました。
「なぜ日本の中で安比を選んだのか」との議員の問いに対し、学校を案内してくれた盛岡市出身の担当者は、「私も最初そう思った」と笑いを誘った後、「入学して数か月経つとこどもの顔が違ってくる。都市部にはない自然の素晴らしさに触れ、冬場の厳しい自然を乗り越える力も身に着けられることがここの魅力だ」と語っていました。
残念ながら、7,8月は夏休みのため生徒たちに会うことはできませんでしたが、この素晴らしい学校を多くのこどもたちに体験して欲しいと思いました。施設が休眠する夏休みを利用し、地元のこどもたちに世界トップクラスの学習環境を実際に味わってもらうことで、より学校と地域の一体感が強まり、活性化につながるのではないかと感じました。