5日、BSフジの「プライムニュース」に出演、「なぜ政治にカネが掛かるのか」というテーマで2時間にわたって議論しました。①自民党が実施中の全議員への簡単なアンケートや派閥から裏金を受け取った議員への身内の調査が実態の解明につながるのか、②二階・元幹事長に渡された50億円以上の政策活動費の使途を岸田首相が明らかにしないのは許されるのか、といった今国会の争点もテーマとなりましたが、一般的な国会議員の収入と支出の実情についても、率直にお話をさせて頂きました。

共演したのは、自民党の牧原秀樹衆議院議員と、元東京地検特捜部で衆議院議員を一期務めた若狭勝弁護士です。私の場合、収入面では、議員報酬の手取り金額、調査研究広報滞在費、政党交付金、朝食会収入、個人献金などで約4千万円です。支出面は、昨年は、事務所の運営費、人件費、広報費などで約2千万円がかかりました。今年は、私設秘書が一人増え、さらに支出は増える見込みです。

加えて、盛岡と東京の二重生活に要する費用や出張費用、有識者との懇談や議員連盟の経費、文献や資料の購入など専門知識の収集費用、法令の範囲内での冠婚葬祭費、選挙資金の貯蓄などもあるため、ゆとりはありません。自民党の派閥や一部議員とは違って、資金集めを目的とした大きなパーティーを開くこともできません。

牧原氏も、議員時代の若狭氏もさほど変わりはなく、司会者は「7千万円ぐらいは収入があると思っていた」と驚いていました。たまたま三人とも弁護士資格を持っていることから、司会者からは「弁護士をやった方がもうかるのに、なぜ国会議員になったのか」という素朴な質問もありました。

「お金ではなく、やりがいを求めた」という考えで三人は一致しましたが、若狭氏だけ「政治にかかるお金をもっと減らすべきだ」と強調しました。インターネットを活用すれば、有権者との付き合いや広報にかかるお金を減らせるということでしたが、私は「国会議員の活動を知ってもらい、本音で話してもらうためには、ネットだけでは足りない」という意見を述べ、牧原氏も同調していました。

しかしながら、広報活動に力を入れたり、有権者と接する機会を増やしたりしようとすると、必然的に支出は増えます。他方、政治にカネが掛かるからと言って、今回のような違法行為が許されるはずもありません。「政治とカネ」の問題を防ぐための最善の手段は、政治家のお金の出入りを徹底的に「透明化」し、国民に「見える化」することだと思います。「裏のない政治」を創るため、これからも政治資金の情報公開に取り組んでいきます。