7日、田原総一朗さんが会長を務めるNPO法人が主催する「三ツ星議員表彰式」が行われ、「三ツ星議員」に選ばれました。私の場合は昨年の通常国会での質疑や議員立法などが評価されたものですが、衆議院議員は私を含め11名、参議院議員は3名が表彰対象でした。衆参の国会議員の総定数は713名ですので、全体の2%弱しか表彰されません。私は今回が通算6度目の表彰ですが、毎回大変名誉なことだと思っています。

表彰式のスピーチで、私からは感謝の言葉と共に、国会質疑がもっと実のあるものとなるよう、答弁者の「三段論法」を改めてほしいと語りました。「三段論法」とは、答弁する際、①「おっしゃるとおり・・・」とまずは質問者の発言を繰り返した上で、②「しかしながら・・・」とつないで自分の言いたいことを延々と述べ、③「いずれにしましても・・・」と①、②で述べたこととは無関係に結論めいた話をして終える、というやり方です。

答弁者としては、答弁を長引かせることで質問を受ける時間をなるべく減らし、都合の悪い質問には正面から答えず煙に巻くことができます。国会審議を無意味なものにする非常に姑息なやり方です。この「三段論法」を得意とするのが、日銀の黒田総裁だと思います。

10日の財務金融委員会でも、2年で達成すると約束した2%の物価目標について、10年経っても達成の目途が立たないこと、物価が上がれば賃金も上がるとしていたのに、そうならなかったこと、日銀が異次元の金融緩和で際限なく超低金利の国債を買うことから、政府は借金を安易に増やしたことなどについて、私や同僚議員が指摘をして反省と改善を求めましたが、まともな答弁はなく、無駄話で貴重な質疑時間を浪費させられました。

そんな黒田総裁も間もなく任期満了となり、後任の日銀総裁の名前が報道されています。岸田首相は、新たな日銀総裁にふさわしい人物として、「主要国の中央銀行トップとの緊密な連携ができ、内外の市場関係者に対する質の高い発信力と受信力を持つことが重要」と国会で答弁しています。主要国の中央銀行と連携せずに特殊な金融政策を続け、一貫性のない発信力と批判に対して聞く耳を持たない受信力を持つ黒田総裁への皮肉にも聞こえます。

私はそれに加え、「今までの金融政策について、虚心坦懐に反省すべきところは反省して、見直すべきところは見直していける方がふさわしいのではないか」と主張し、鈴木財務金融大臣に見解を求めました。鈴木大臣は、「岸田総理の答弁のラインでしか答えられない」としつつ、「日銀総裁は国会同意人事なので、国会にお認め頂けるベストと思われる方を提示するのが重要だ」と述べました。岸田内閣が来週の国会で正式に示すであろう、新たな日銀総裁の候補者を、期待しながら待ちたいと思います。