30日、今国会で初めての質疑を予算委員会で行いました。全閣僚が出席し、テレビ中継も行われました。私は立憲民主党のネクスト財務金融大臣として、岸田首相には「防衛増税」と「中長期の財政運営」を、日銀の黒田総裁には「金融政策」を問い質しました。

まず「防衛増税」について。国会開会前に岸田政権は、急増する防衛費に充てるため「新たな付加税」を設ける決定をしました。「新たな付加税」は、本来は2037年までの約束で国民が本来の所得税に上乗せして払い続けている「復興特別税」を横流しするものです。これを行うと、復興に充てる予定だった税収入の約半分が国に入らなくなります。

穴埋めに、政府は「復興特別税」の期間を2050年位まで延長します。一方、「新たな付加税」の方は、毎年発生する防衛費に充てるため永久に国民が負担することになるでしょう。この決定を行う前、岸田首相は「個人の所得税の負担が増加するような措置は行わない」と明言していました。しかし、現在より所得税の負担が増えることは明らかです。

この矛盾を岸田首相に指摘すると、「『負担感』の増加につながらないようにした」とごまかしました。何度かやり取りして「負担が増える」ことは認めたものの、前言との矛盾は認めませんでした。また、「国民に負担をお願いする前に選挙をする」との発言についても真意を尋ねましたが、「解散の時期は総理大臣の専権事項であり、適切に判断する」といった当たり前の話を繰り返すのみでした。

「金融政策」については、日銀は昨年暮れに長期金利を0.25%引き上げています。11月2日の国会質疑で、急激な円安を是正するために私からも同じことを提案していました。その時、黒田総裁は「2%物価安定目標の実現が見通せる状況」にならないとできない旨答弁していました。そこで、「今回の金利引き上げはそうした状況になったためか」と尋ねると、黒田総裁はこれを否定し、「市場機能の改善を図るためだ」と答えました。

これも話が違います。しかも金利を引き上げた後も、長期金利は異常な動きが続いています。「市場機能の改善を図る」のなら、さらなる引き上げが必要なのに今は静観しています。私は黒田総裁が以前、「一貫性、予見性の高い政策対応を継続していくことが重要だ」と講演で述べていたことを指摘し、「言行不一致ではないか」と追及しましたが、言い訳がましい説明をだらだらと語るだけでした。

岸田首相も黒田総裁も、言動に一貫性がなく、その場しのぎの「突貫工事」で突然新たなことを始めます。「だまし討ち」によって振り回される国民から、信頼と共感は得られるはずがありません。不信と反感が強まるばかりです。