13日、衆議院の憲法審査会が開かれ、立憲民主党からは中川正春代議士と私が「幹事」に選任されました。私にとっては約3年半ぶりの幹事就任です。財務金融委員会など通常の委員会では与野党の「理事」が集まる「理事会」の場で委員会の議題や審議時間などを決めますが、憲法審査会では「幹事」が集まる「幹事会」がその役割を担います。

また、予算委員会を除く一般の委員会の場合、①担当大臣の所信表明とこれに関する質疑→②政府が提出した法案の審議と採決→③担当大臣への自由な質疑→④ほかにも政府提出法案があればその審議と採決→⑤担当大臣への自由な質疑→⑥政府提出法案が尽きたら、与野党で合意した議員立法の審議と採決、という順序で会期中の議題を決めるのが通例です。

それゆえ、議題を決めるための「理事会」が紛糾することはあまりありません。他方、憲法審査会では担当大臣もいなければ、政府提出法案もありません。現在、議員立法である「国民投票法改正案」が自民党などから提出されていますが、我が党は、憲法改正のための国民投票の重要性を考慮し、①多種多様で正確な情報を事前に得られる仕組みや、②落ち着いた環境の中で投票できる仕組み、を法案に盛り込むべきだと主張しています。

この点につき与野党が合意しない限り、議員立法の審議はできません。そこで、今国会の憲法審査会で何を議題にするかは、これから「幹事会」で話し合って決める必要があります。前回私が幹事を務めた時も似たような状況でした。ただし、当時は安倍政権下で、憲法の3大原則である平和主義、民主主義、人権尊重、に反するような憲法改正案が強行採決され、国民投票にかけられるのではないか、との不安が強まっていました。

その結果、なかなか議題が決まらず会議も開けない状況が続きましたが、3年半を経てだいぶ雰囲気が変わったようです。先の通常国会では何度も会議が開かれ、我が党を含む与野党の大方の賛成を得て、「コロナ禍のような緊急事態において、オンラインで国会審議を行うことは、憲法改正をしなくてもできる」旨の見解をまとめました。憲法改正案に至らなくても、憲法に関わる問題を調査して見解をまとめることは、憲法審査会の発足時に与野党で決めた会議運営のルールにも定められている重要な任務です。

例えば、「法律の定めによらず内閣が独断で国葬を決定することは、国会を国権の最高機関とする憲法41条に反しないか」、「霊感商法など恐怖や誤解によって財産を搾取する反社会的活動を行う宗教法人に、憲法20条の信教の自由はどの程度保障されるか」といった問題も、当然議題となり得ます。「改憲」の前に「論憲」を活発にすることを念頭に置きつつ、最高法規たる憲法を議論する、憲法審査会の幹事という重要な職責を果たしていきます。