25日、前日の総務省に続き、農林水産省の幹部職員6人が「国家公務員倫理規程」違反で処分されました。総務省の11人と元総務省の山田真貴子内閣広報官を併せ、二日間で18人の官僚が実質的に処分されるという異例の事態です。とくに農水省の枝元事務次官は、国家公務員倫理法により、倫理監督官も務めていました。所属する行政機関等の職員に対し、職務上の倫理の保持に関して、必要な指導及び助言を行う職責を担っていたのです。

そういう人物が自ら倫理規程に違反しながら、職に留まるとは信じられません。今から20年以上前に大蔵省などで接待汚職事件が相次ぎ、「国家公務員倫理法」が施行されました。民主党政権時代の平成22年度から、すべての一般職の国家公務員には、「倫理規程」の要点が記載された「国家公務員倫理カード」が渡されています。名刺サイズの大きさですが、今回の違反者は携帯していなかったか、携帯していても見ることはなかったのでしょう。

「倫理規程」が形骸化する中、初版のカードをボロボロになるまで常に持ち歩き、目を通していた国家公務員がいました。公文書改ざんを命じられ、自責の念から3年前に自殺した赤木俊夫さんです。その赤木さんが生前に公文書改ざんの全容をまとめた「赤木ファイル」を財務省が国会に提出しない問題につき、26日の財務金融委員会でも取り上げました。

赤木氏の上司が「赤木ファイル」の具体的な内容を語った音声記録が存在し、以前の私の質疑で、財務省幹部も存在を認めたのに等しい答弁を行ったにも関わらず、いまだに麻生財務大臣は「(赤木ファイルの)存否も含めてお答えできません」と、何とかの一つ覚えのような答弁を繰り返しています。

この異常な対応について、「赤木氏は国家公務員の鑑(かがみ)のような人だった。財務省にとっても官僚組織にとって宝を失ったようなものだ。いつまでも同じ答弁の繰り返しでは赤木さんは報われない。本来、大臣こそ赤木ファイルを真っ先に見るべきではないか」と迫ったところ、麻生大臣は「あるかないか分からないので検討します」との答弁。

もし「あるかないか」を知っていてこう答えたのであれば虚偽答弁ですし、本当に「あるかないか分からない」のであれば、大臣として失格です。どちらなのか確認しようと質問を重ねると、再び「存否も含めてお答えできません」の一点張りになってしまいました。こんな人が政権の中枢に居続けたからこそ、国家公務員の倫理が廃れたのだと思いました。