1日から4日まで、「盛岡さんさ踊り」が総計133万人の観衆を集めて行われました。今年で40回を迎え、盛岡の夏の風物詩として東北を代表する夏祭りの一つに成長してきました。長年にわたる関係者のご努力に対し、敬意と感謝を申し上げます。

さて、さんさ踊りをはじめ、この時期は県内各地で様々なお祭りが行われ、お盆にかけて里帰りされている方に多くお会いします。小さなお子さんを連れたご家族に会うと、昔の自分の家族を懐かしく思い出します。首都圏から帰省する際、しばしば東北自動車道を利用し、よく大渋滞に巻き込まれました。

ぐずる子供たちをなだめ、少しでも早く実家にたどり着こうと、(法に触れない範囲で)前の車を追い越したり、隣の車線に移ったりしました。しかし、出口の盛岡ICでは、そうした努力も空しく、はるか手前で追い抜いたはずのバスやトラックと合流することもよくありました。

急いでも結果が同じならば、より事故の危険が少なく、家族にも他の車にもストレスを与えず、ガソリンを無駄にしない運転をした方がいいに決まっています。「急がば回れ」ということわざがありますが、「急がば並べ」とも言えるかもしれません。

4日、この5年間行動を共にしてきた細野豪志代議士が民進党を離党する意向を表明しました。いずれは彼を党の代表とし、再び政権交代を果たして細野内閣を実現する目標を立て、そのために仲間の議員たちと「自誓会」という派閥を作って活動してきました。この5年の間、海江田代表の下で幹事長、岡田代表の下で政調会長、蓮舫代表の下で代表代行と常に党の要職に就き、時が来れば代表になるであろうということは、党内外のほとんどの政治家が思っていたはずです。

にもかかわらず、憲法改正や野党連携への党の姿勢を問題にし、「民進党では政権交代できない」として離党に踏み切ったことは、極めて残念です。政権交代という目的地への到着を急ぐ余り、同じ車に乗った「家族」とも言うべき派閥のメンバーや、なかなか前に進まない現状に耐えながら、なお民進党で政権交代を目指そうとする議員や支援者の皆さんの心情を考えることなく、無理な「追い越し」と「車線変更」を図ったように見えます。

いつかは彼も今回の行動の誤りに気付き、「急がば並べ」という思いを抱くのではないでしょうか。そして、それまでの間、政権交代という目的地を見失い、「逆走」してしまうことのないよう、ここまで苦難の道を共に歩んできた同志の一人として、心から祈っています。