26日、今村雅弘復興大臣が辞任しました。東日本大震災に関し、「これがまだ東北で、あっちの方だったから良かった」と発言したことに自民党内からも批判が高まったためです。

同日、東北選出の民進党国会議員で緊急の記者会見。東北ブロック協議会議長の私が代表して、今村氏に議員辞職と被災各地でのお詫び行脚を求める抗議文を提出しました。翌27日には東北の自治体議員も参加して党復興推進本部の緊急会議を開催。橘復興副大臣らに対し、復興庁の役割を自覚し、着実に復興を進めることなどを要請しました。

28日には復興特別委員会で質疑。私は、務台前政務官も含め、同じ人間が問題発言等を繰り返して辞任に至ったことを指摘。「再発防止には、大臣のみならず部下の役職員についても問題ある言動があれば直ちに厳しく処分すべきではないか」と吉野新大臣に質したところ、新大臣は「おっしゃる通り。緊張感を持って、復興庁を率いていく」と答弁しました。

それにしても、「東北でよかった」発言は、復興大臣以前に人間としてあるまじき暴言です。なぜ、このような信じ難い暴言が生まれるのでしょうか。

第一に、今村氏自身の資質です。東北を「あっちの方」と称し、原発事故の自主避難者を「自己責任」と突き放したことからも分かる通り、あの未曽有の災害を経験していない佐賀出身の今村氏にとって、東日本大震災はしょせん他人事でした。このような人物に「被災地に寄り添う」復興大臣の任務は務まるはずがありません。安倍首相の任命責任も当然問われます。

第二に、大臣の意向を忖度する復興庁の体質です。今村氏が記者会見で激怒した記者に対し、その後の記者会見では質問を制限するなど、大臣にとって不都合、不愉快な情報を役所が遠ざけてきました。大臣の意向を忖度したのでしょうが、まったくの逆効果でした。被災地に住む方々、現場を取材する記者の声を遮ったために、被災者を傷つける発言がなされたのだと思います。この点につき私は、28日の緊急会議で復興庁幹部に厳しく改善を求めました。

第三に、何を言っても許されるという自民党のおごりです。今村氏の辞任の後も、二階幹事長は「一行でも悪いところがあれば首を取れとなる」などとマスコミを批判し、責任転嫁しています。党幹部がこのような認識では、閣僚の暴言が後を絶たないのは当然です。

安倍政権からこれ以上、東北が蔑まれ軽んじられることがあってはならないと強く思います。東北の国会議員として、引き続き安倍政権に厳しく対峙するとともに、生まれたのが「東北でよかった」と被災した方々に思って頂けるよう、震災復興にさらに注力します。