中小野党が内閣不信任案提出、自民同調の可能性国会最終日の20日、石原伸晃環境大臣の「最後は金目でしょ」との発言に対し、衆議院では大臣不信任決議案、参議院では大臣問責決議案が提出されました。この発言は、原発事故の除染廃棄物を中間貯蔵する施設の建設について、大臣が記者団から福島県側との交渉状況を問われた際のものです。

金の力に物を言わせて長年住み慣れた土地を買い上げる、バブル期に跋扈した地上げ屋のような言いぶりです。ただでさえ原発事故で故郷を離れて暮らさざるを得なくなっている方々が、この発言に屈辱と怒りを覚えるのは当然です。もはや大臣の職責を果たせないとして、野党がこぞって決議案に賛成したものの、与党の反対多数で否決されました。

しかし、本来は国会での決議の有無にかかわらず、石原大臣は引責辞任すべきです。思い起こされるのは、民主党政権時代の平成23年9月、石原氏が自民党幹事長として就任直後の鉢呂吉雄経産大臣の発言を取り上げ、「万死に値する」と述べていたことです。鉢呂大臣は間もなく辞任しました。

ところで、与党議員の大半が石原大臣の不信任決議案に反対して大臣を守ろうとする中、採決を棄権したのが福島県出身の吉野正芳議員です。吉野議員は、法務委員会の与党筆頭理事です。昨年秋以来、野党筆頭理事である私は、吉野議員と協議しながら法務委員会の議事を進めてきました。

この吉野議員の尽力もあり、16日には法務委員会のメンバーで東京拘置所にある死刑執行の刑場を視察することができました。死刑囚が最後の時を迎える経路をたどって刑場に近づくと、徐々に緊張感が高まり、誰もが無口になります。死刑囚が最後に立つ場所は赤い四角の枠で囲まれ、近寄りがたい雰囲気が漂っていました。

犯した犯罪事実に争いがない、まさに「万死に値する」死刑囚であっても、その死を強制することの重みを痛感しました。「万死に値する」との言葉を使うのであれば、それだけの覚悟が必要です。

石原氏は、当時「万死に値する」という言葉をいかなる覚悟をもって使ったかは分かりませんが、もし軽々に発していたのであれば大臣としての資質を欠いています。逆に、考えた上での発言であれば今回の問題発言への責任の取り方は自ずと明らかです。吉野議員をはじめ、福島の方々が納得できる対応を求めます。