19日、立憲民主党の農林水産部門会議では、昨年から続く米価の上昇について、農水省から検証結果の報告を受けました。それによると、①高温障害等によって玄米を精米した後の歩留まりが悪く、お米の供給量が減ったこと、②人口減少で年々需要が減っていくという見通しを立てていたが、実際には訪日外国人の増加や、家庭の購入量の増加で需要が大きく増えたこと、から生産が需要に追い付かず米価が上昇。

にもかかわらず、③農水省は「生産量は足りている」と思い込んでお米の流通実態を把握せず、政府備蓄米の放出が遅れたために更なる米価の上昇を招いた、とのことでした。その上で、今後の方向性として、「増産に舵を切る政策への移行」を掲げると共に、「余裕を持った需給見通し」、すなわち需要を高めに見積もる方針です。加えて、8月末で終えるとしていた、政府の随意契約による安値での備蓄米の販売を延長することも公表しています。

農水省が供給と需要の見通しを誤ったことによって米価の上昇を招いた以上、確たる見通しができていないのにお米を増産し、流通量を増やしたら、逆に米価が下落して米作農家の経営が成り立たなくなる可能性があるのではないでしょうか。

そもそもお米の小売価格が5キロで4千円だったとしても、茶碗一杯では50円です。自動販売機で600ccのペットボトルのお茶を買えば150円ぐらいですから、3分の1ほどの値段で買える計算です。そして農家の収入はここから小売業者や卸売業者の利益が差し引かれるため、小規模農家や中山間地の農家ではぎりぎり採算が合う程度です。お米の増産によって価格を下げる政府のやり方では、一部の農家しか米作りを続けられません。

会議の際、農水省の幹部に「米価が上がるときは消費者を助けたが、仮に米価が下がった場合に農家を助けるのか」と尋ねましたが、明確な答えはありませんでした。私は、農水省の当てにならない需給見通しに基づいてお米を増産するよりも、農家への所得補償(直接払い)によって生産を増やす方が農家と消費者の双方にとってメリットが大きいと考えます。

明治大学の作山巧教授(岩手県紫波町出身)の最近の研究によれば、農家への所得補償を行えば、生産が増えて合理的な範囲で米価が下がります。その結果、農家に支払った金額のうちの6割は、米価が下がることで消費者に還元されるというのです。

立憲民主党では、農家への所得補償を充実させる「食農払い」を導入することを提案しています。消費者の利益に偏りがちな「コメ担当大臣」では、ライス・ワーク(米作り)をライフ・ワーク(生涯の仕事)にすることはできません。