7日、北上市にある「キオクシア岩手」に伺いました。キオクシアは、もとは東芝に属していた半導体メーカーです。数年前から北上市にも工場を建設し、生産能力を拡大してきました。政府も半導体産業の発展に力を入れ、補助金の支給や公共インフラの整備などでキオクシアを支援してきました。しかし、そもそも北上工場でどんな仕事をしているのか、把握していません。そこで今回、関係者のご協力により、貴重な工場見学の機会を得ました。
現地に行ってみると、驚かされることが多々ありました。最初に驚いたのは、工場の大きさ。すでに稼働している第一工場だけで幅340メートル、奥行き115メートル、高さ49メートルもあります。これに接続する第二工場が7月に完成しましたが、こちらも幅が200メートル以上あります。第一工場から第二工場の方に伸びる廊下の端に立つと、廊下の先の方はあまりに遠過ぎて見えませんでした。
次に驚いたのは、広い工場内にびっしり配置された半導体を製造するための先端機器の数々です。キオクシアでは「3次元フラッシュメモリ」という、電源なしで大量の情報を保管するための半導体を作っています。記憶容量を極限まで増やすため、記憶機能を持つ半導体の極薄の板を100層以上も積み重ね、わずか0.004ミリの厚さに収めます。そのために10種類以上の最先端の機器を使った工程を何度も繰り返す必要があり、完成するまでに約3か月もかかるという説明にも驚きでした。
さらに、製造現場の衛生管理にも驚かされました。私たちは、埃(ほこり)を出さないように専用の合羽や靴カバーを着用して「クリーンルーム」と呼ばれる製造現場をガラス越しで見学しました。しかし、ガラスの向こうはさらに厳重で、作業中の半導体の周辺は0.001ミリの大きさの埃が1つあるかないかという状態に保たれているそうです。
こうした環境の下、多種多様な製造機械を24時間稼働させ、管理、点検を行う技能者、技術者の方々が工場全体で2000人近く配置されているとのことでしたが、第二工場を本格稼働させるには、まだまだ足りません。人手不足が深刻となる中、県内の他の業種の人材確保に悪影響を及ぼさないようにするには、「キオクシア岩手」が何をしている会社なのかを広く伝え、全国から優秀な人材を呼び寄せる必要があります。
この点、世界最先端の技術が詰まった工場であるため、「経済安全保障」の観点から、ネットなどでは思うように情報発信できないようです。ただし、実際に工場を見れば、社名のとおり、間違いなく記憶に残ります。首都圏の学生などに見学やインターンの機会を積極的に設けて就職と移住につなげ、会社と地域の持続的な発展を目指すべきです。