新年あけましておめでとうございます。昨年は、私を含め民主党の活動にご理解・ご協力を賜り、本当にありがとうございました。

 さて、8日の衆議院本会議では、薬害C型肝炎被害者の全員一律救済を実現するための法案が全会一致で可決されました。早ければ9日に参議院でも可決され、成立する見込みです。福田首相は、当初一部の被害者だけを救済する和解案を示していました。しかし、被害者の方々の私利私欲にとらわれず正論を貫く姿勢やこれを支える民主党など野党の主張、世論調査での内閣支持率の急低下を見て突如方針を転換し、議員立法によって全員一律救済を図ることにしたのです。この法案は7日に国会に提出されましたが、内容に対して被害者側から異論がなかったため、野党も賛成して短時間の審議で衆議院を通過しました。

 この一連の出来事について、私は、三つのことを感じました。

一つめは、世論の影響力です。政権を何とかして維持したい政府与党は、官僚の意見ではなく世論を重視し、世論の動向に敏感にならざるを得なくなりました。内閣支持率の低下を示す世論調査結果が出た後の福田首相の方針転換は、そのことを端的に表しています。先の参議院選挙での与野党逆転がなければ、今回のように政府与党が世論に即座に反応することはなかったと思います。

二つめは、議員立法の重要性です。今回の法案の前文には、「早急に一律に救済の要請にこたえるには、司法上も行政上も限界があることから、立法による解決を図るため、本法律を制定した」旨書かれています。司法は既存の法令と先例の枠内でしか問題を解決できないし、過ちを犯した行政に自ら非を認めて抜本的な問題解決を行うことを期待するのも困難です。議員立法こそが、行政と国民が対立する問題を早急に抜本的に解決するのに適しており、その役割は重要です。

最後の三つめは、「ねじれ国会」の健全性です。「ねじれ国会」というと、与野党が対立して法案の審議が進んでいないのではないかというイメージを持たれがちですが、国民の視点に立った人道的な法案であれば即座に成立することが示されました。与野党間で議論すべき問題は徹底的に議論を尽くし、争いのない問題は早期に法案を成立させ問題を解決する。「ねじれ国会」は十分健全に機能しています。

 「ねじれ国会」に浮き足立つことなく、①国民が真に求める政策を感じ取る力、②そのような政策を議員立法に具体化する力、③対立する政策課題につき政府与党を説得する力を養っていくことが肝要だと思いました。この先いつ解散総選挙があるか分かりませんが、前回の補欠選挙で寄せていただいた「期待」を「信頼」に変えられるよう、日々誠心誠意がんばってまいります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。