4日から臨時国会が始まりました。現行憲法の下で200回目となる節目の国会です。私は、財務金融委員会、東日本大震災復興特別委員会、決算行政監視委員会の三つの委員会に所属することになりました。財政と金融の健全化、震災復興の完遂、行政改革の深化を目指し、全力で取り組んでまいります。

さて、三つの委員会すべてで取り上げなくてはならないのが、郵便局の職員が「かんぽ生命」の保険商品を不正に販売し、高齢者などが被害を被った問題です。

 先月30日に日本郵政グループが公表した「中間報告」によると、不正が疑われるとして顧客から聴き取り調査を行った6万8千件の事案のうち、6327件が法令違反や社内規定違反の可能性があるとのこと。まだ調査が済んでいない疑わしい事案が11万5千件もあるため、今後さらに不正販売の件数は増えそうです。

これまで銀行や証券、保険会社などでも金融商品の違法、不当な勧誘で顧客に損失を与える事件はしばしば発覚してきました。しかし、郵便の配達などで地域に根差し、住民に信頼されてきた郵便局でこのような事件が多数起きるとは信じがたいことです。経営陣から過大なノルマを押し付けられ、達成を厳しく要求される中で、現場職員が不正に走ってしまった面もあるようです。財務金融委員会で原因解明と再発防止策を議論しなくてはなりません。

また、「かんぽ生命」の親会社である「日本郵政」の株式について、政府は、法律上、保有割合が33%(3分の1)を下回らない範囲でできる限り早く処分し、2022年までの売却収入を復興財源に充てることになっています。これまで株式市場を通じて2回売却し、2兆8千億円を確保しましたが目標の4兆円には1兆2千億円ほど足りません。本来であれば今年中にも3回目の売却を行う予定でしたが、今回の不祥事を受けて株価が下落し、売却時期のめどが立たなくなりました。復興財源をどのように確保するか、復興特別委員会で議論しなくてはなりません。

さらに、この問題を昨年4月に取り上げた「クローズアップ現代+」の番組担当者と日本郵政の広報部長との間で取材の方法をめぐってトラブルが生じ、日本郵政側の要請により、NHKの経営委員会が会長に厳重注意するという事態になりました。自らの不祥事を棚に上げ、報道する側に責任転嫁する日本郵政側と、その圧力に屈してしまったNHK。この間、両者の監督官庁である総務省の元事務次官が、日本郵政の副社長としてNHKとやり取りしていました。「天下り」人材が役所の権限を後ろ盾にし、報道の自由を歪めた疑いがあります。この点は、決算行政監視委員会で真相を解明し、関係者の責任を問う必要があります。