035堀江貴文氏は、「ホリエモン」とも呼ばれ、一世を風靡した若手経営者です。ライブドアというベンチャー企業を瞬く間に巨大企業に成長させ、一時は放送局やプロ野球チームを買収しようとしたり、大物議員の刺客として郵政解散選挙に出馬したりして、世間の注目を集めました。しかし、平成18年に、本来赤字の決算を黒字にして公表した有価証券報告書の虚偽記載の罪で逮捕、起訴され、懲役2年6か月の実刑判決を受けました。現在は社会復帰し、メデイアにも度々登場しています。

その堀江氏が衆議院の法務委員会に参考人として招かれ、現在審議中の刑事訴訟法の改正案について意見を述べました。報道陣が多数見守る中、堀江氏は「冤罪事件が相次いだために刑事司法制度改革になったのに、前進したというよりもほとんど後退しているんじゃないか」、「重要な改革にもかかわらず報道を見ても全く注目されていなくて、国民生活に一番関係してくるのは実はここなんです」、「刑事司法制度改革でデモをやってもいいぐらい」などと持ち前の自由奔放さを発揮し、法案を厳しく批判。とくに、①無用な身柄拘束から解放するための保釈の要件や、②部下が上司のせいにするなど、他人に罪をかぶせて自分の罪を軽くできる司法取引制度については、強く見直しを求めました。

堀江氏が意見を述べた後、各党代表者の質疑があり、民主党からは私が質疑を行いました。10分間という短い時間の中で、主に司法取引制度について尋ねました。まず、「国民が注目しない理由として、法律には『証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度』というわかりにくい書き方をしていることがあるのではないか。発信力のある堀江さんならどういうネーミングをされるか?」と問うたところ、

 「一方通行型、フェアではない司法取引制度」という答えが返ってきました。

さらに、私が「身柄が拘束されていると、自分がやったかやらないかということですら、本当はやってないのにやったと言ってしまう状況なのに、他人である主犯格がやったかどうかについては、なおさら嘘を言って冤罪の可能性が高まるのではないか」と問うと、

「その通りだと思います」、「みんな、特に逮捕されると、あるいは逮捕の危険をちらつかされると、ほとんどの人たちはコロッといってしまうと思います」と、保釈まで94日間も身柄拘束された自らの経験も踏まえ、確信に満ちた答弁でした。

フェアではない証券取引をしたとして堀江氏を訴追した捜査機関が、「フェアではない司法取引」と呼ばれる制度を導入するのは自己矛盾です。直ちに法案から削除するべきです。