この度の広島の土砂災害で亡くなられた方々に対し、衷心より哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
今回の土砂災害や東日本大震災など、最近は地方で起こる大規模な自然災害が目立ちます。もともと人口が減少していた地域では、災害で住居や職場を失ったことをきっかけに人口流出が進む傾向があります。地域の活力を保つためには、住居や職場を早く再建し人口流出を最小限に留めるとともに、人口減少を補うべく観光客など交流人口を増やす取組みが欠かせません。
23日は、陸前高田の広田湾で牡蠣の養殖作業を体験し、取れ立ての牡蠣を味わうという、母校の後輩が企画したツアーに参加しました。東京をはじめ各地から20名以上の参加がありました。広田湾産の牡蠣は、穏やかで豊穣な湾内の環境のおかげで大きく成長するため、築地市場でも高値で取引されるとのこと。この高級食材を新鮮な状態で食べられるだけでなく、復興に尽力する若手漁業家からユーモア交じりの手ほどきを受けつつ、大自然の中で普段目にできない牡蠣の養殖作業を体験できます。岩手の強みというべき、食材と人柄と自然の素晴らしさを短時間で堪能できる価値の高いツアーでした。
こうした取組みを三陸沿岸の被災地だけでなく、内陸の山間地や農地でも広げていけば、適度な移動時間で多様な体験を楽しめ、岩手の弱点である観光資源の分散と移動の不便も克服できると思います。さらに、若者層を中心に宿泊を伴う国内旅行者が減少する中、アジアの新興国などから外国人旅行者を増やすことも必要です。日本を訪れる外国人旅行者は昨年はじめて1000万人を超え、今年は1200万人を上回る勢いですが、残念ながら、その大半はゴールデンルートと言われる東京、冨士山、京都方面に向かっています。
盛岡市在住の外国人の方々に聴くと、岩手には魅力的な観光資源があるが、そもそも「岩手」という地名が知られていないので外国人が訪ねて来ないと言います。これからは、岩手在住の海外留学生などにも協力してもらって多言語での情報発信を強化したり、実際に岩手に来た外国人旅行者が観光地から即座に情報発信できるよう無料でインターネットを利用できる環境を整備したりすることはもちろん、もっとも岩手の良さをアピールできる私たちが国際感覚を高めなくてはならないと、自戒を込めて思います。
「岩手」を「IWATE」にする努力は、インバウンド観光の増加だけでなく、ILC(国際リニアコライダー)を誘致して国際研究都市を築くためにも必要なことです。
