news2113684_628日から30日にかけ、衆参両院では代表質問が行われました。最初の質問者は、民主党の海江田代表です。安倍首相の施政方針に対し、経済では所得格差拡大のリスク、外交では日中関係のリスク、国のあり方としては「閉鎖性と統制色の強い戦前の社会に戻る」リスクを指摘し、国政全般にわたり46の質問を行いました。

その中でも、国民にとって関心が高い物価については、アベノミクスによる円安、公共事業増加で原料、燃料、資材などが上昇する中、4月には消費税が3%引き上げられます。物価が上昇しても、それに見合う賃金の上昇がなければ今までより生活は苦しくなります。

海江田代表は、平成26年度の物価上昇率を政府が3.2%と見込んでいることを踏まえ、3%を上回る賃金上昇の実現が可能なのかどうか尋ねましたが、それに対して正面から答えず、「私たちの政策によって、初めて賃上げの機運が盛り上がってきた。この道しかないということは、はっきりと申し上げたい」と自慢げに答弁しました。

「賃上げの機運が盛り上がってきた」というよりも、「物価高で賃上げが避けられなくなった」というのが実態であり、そもそも状況認識が誤っています。加えて、「この道」に不安があるから尋ねているのに、不安を解消する説明もないまま「この道しかない」と語るのでは答えになっていません。

そのような無意味な答弁であっても、過半数を大きく上回る自民党の議員からは拍手喝采が沸き起こります。逆に、海江田代表が自民党の公約違反を指摘すると、自民党の一部の議員からは大声で野次や罵声が浴びせられます。自民党出身の伊吹議長でさえ、質問を中断して「言っていることが正しいかどうかは、よく聞かないとわからないから、皆さん静かに聞いてください」と小学生を諭すような苦言を述べるありさまでした。

このように権力者の発言を絶対的に正しいとみなし、権力者への批判を許さないという風潮が公共放送であるNHKにも伝わってしまったかのようです。新たに就任したNHKの会長による、「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」といった発言は、一歩間違えば公共放送が御用放送になる危険をはらんでいます。

海江田代表の言う「閉鎖性と統制色の強い戦前の社会」が次第に現実味を帯びてきています。「この道」がいつか来た道にならないよう、今国会でも巨大与党の声の大きさにひるむことなく、しっかり物を言い続けます。