10日、盛岡市の簗川から川目までを結ぶ簗川道路の開通式が行われ、参列しました。この道路は、もともとダム建設に伴い水没する区間の付替道路として着工されました。震災後に宮古市と盛岡市を結ぶ「復興道路」の一部とされ、この日の開通に至ったものです。

民主党政権の時に、岩手県内では、ほかに釜石市と花巻市を結ぶ道路や三陸沿岸道路を「復興道路」と位置付けました。それまで財政難から工事が遅れがちでしたが、被災地の復興に必要な交通、物流を円滑にするため、急ピッチで工事が進んでいます。道路以外にも、漁港や防波堤など津波被害を受けたインフラの整備は、ほぼ計画どおりに進んでいます。

被災地の復興を進めるには、「三本の矢」、すなわち、インフラ整備だけでなく、職を確保し、住宅を再建しなくてはなりません。職の確保については、被災地ごとにかなり差があります。まちの中心機能が残った地域では、グループ補助金や二重ローン処理により、地元企業が事業を再開し、雇用も増えつつあります。

他方、陸前高田市や大槌町のように、壊滅的な被害を受けた地域では廃業する企業が多く、一部の業種を除き雇用は低迷しています。地域外からも企業に進出してもらおうと、平野前復興大臣時代に企画された津波被災地向けの企業立地補助金が来年度予算案に盛り込まれています。これが執行されれば職の確保も前進しそうです。

一番問題なのは、住宅の再建です。津波で被災した土地にそのまま家を建てるわけにはいきません。高台移転のための土地の造成、安全性を高めるための土地のかさ上げといった大規模な準備作業が必要です。しかも、対象土地が私有地である場合、準備作業の前に公共で買い取る必要があります。権利者が判明し、その所在が分かっていればともかく、権利者が分からなかったり、行方不明だったりする場合、土地の取得は容易に進みません。

こうした場合の解決策が民法や土地収用法に定められています。政府もその活用を試みていますが、震災から2年を経ても土地の取得が進まない状況を見ると、特別な法的仕組みを設ける必要があると感じます。

民主党では、震災から2年の節目に、従来の震災対応組織に代わり、「東日本大震災復興推進本部」を立ち上げました。海江田代表を本部長に据え、県連代表である私も副本部長に就任しました。復興に向けた「三本の矢」が的を射たものになるよう全力を尽くします。