11日、恒例の「小沢一郎政治塾」の冬季集中講義が4日間の日程で始まりました。開講式で小沢塾長は、「国民の生活が第一」を訴え続ける理由について、歴史を振り返りつつ丁寧に語りました。

「日本が第二次世界大戦に突入したのは、軍部独裁のせいではない。政治が不在だったからだ。その直前、昭和の大飢饉が起こったが、政治は『国民の生活が第一』という本来の任務を果たせなかった。食うに困った家庭では子供を身売りさせた。

私の地元、水沢では『娘を売る時は役場に相談すること』という回覧板が回ったほどだ。そのような背景の下で青年将校による2・26事件が起こった。遠い過去の話ではない。我々政治家は、このことを肝に命じなければならない。」

それから小沢塾長は、アフガニスタンや、イラク、エジプトなど世界各地の治安の悪化に触れ、「富の偏在、格差、貧困があらゆる問題の根底にある。銃剣で大衆を支配することはできない。」とし、「国民の生活を守る」ことの重要性を塾生に説きました。

一方、前日の10日は、同期当選で私より五つ若い小川淳也代議士(香川1区)の講演会に伺いました。

彼は、「低成長と人口減少、高齢化の時代となり、これからは政治が国民に利益を分配するだけでなく、負担もお願いしなければならない。我々国会議員の待遇を大きく削った上で、高齢化がピークを迎える2050年でも社会保障制度が維持できるよう、段階的に消費税を引き上げていかなければならない」と訴えました。

私は懇親会で「政権交代直後から1年間、総務大臣政務官として一緒に仕事をした。彼は仕事に厳しいが、自分自身に対しては、もっと厳しい。だから国民に厳しいことを言っても、ちゃんと聞いてもらえる」とスピーチしましたが、小川さんのような政治家もこれからの日本にとって不可欠です。

「国民の生活が第一」と未来への責任という大きな課題をどうやって両立させるか。大変な難問ですが、先の小沢塾長の話は、「難しい課題であればこそ、それを解決するのが我々の使命なのだという気概を持って欲しい」という言葉で締めくくられました。国政に携わる一人として、深く心に留めたいと思います。