24日から通常国会が始まりました。ねじれ国会となり、参議院での野党の協力なくしては法律が一本も成立しない状況です。私たち民主党政権は、3月末までの2か月余りの間に、来年度の予算を実行するための予算関連法を成立させなければなりません。

とりわけ、来年度予算のうち税収で賄えない約44兆円につき国債を発行する法律については、これが成立しないと予算のうち半分近くの金額が実行できなくなるという意味で、予算関連法の中で最も重要な法律です。

ただし、この法律が成立したからといって確実に予算が実行できるわけではありません。もしも金融市場で日本の国債の信用力が下がり、現在の超低金利では誰も買わなくなった場合、国債を発行する際の金利を引き上げる必要があります。

来年度の国債の発行額は、上記の44兆円だけでなく過去に発行して満期が到来したものの借換え分があるので、合計で170兆円に上ります。現在より金利が1%上がるごとに支払金利は年間で1.7兆円ずつ増える計算です。

来年度の予算のうち国債の利払いに充てる金額は約10兆円と見込んでいますが、この金額は現在の金利がこの先1年間もさほど変わらないという前提です。金利が上昇していけば、その分利払いが膨らんで社会保障や公共事業など他の予算が満額実行できなくなってしまう危険があります。

そうした中、27日には米国の格付け会社であるS&Pが、日本の国債の信用格付けを引き下げました。私自身は、数年前のサブプライム問題の元凶であった格付け会社の意見に一喜一憂すべきではないと思いますが、金融市場では国債の信用が下がって金利が上がるピンチと受け止める向きがあります。逆に、ピンチだからこそ、財政再建に向けて与野党が協力して前向きな議論を進めるチャンスと捉える向きもあります。

いずれにしても、今回の格下げは、今後の金融市場、ひいては国民生活に大きく影響しかねません。菅総理は、「そういうことには疎いので」とお茶を濁すのではなく、市場と国民に安心感を与える明確なメッセージを発信するべきでした。