15日、民主党の参議院議員で、シドニー、アテネの両五輪で連続して金メダルを取った「ヤワラちゃん」こと谷亮子さんが柔道の現役引退を表明しました。

谷さんと言えば、先の参議院選挙の出馬に際し、「政治家になってもロンドン五輪を目指す」と話し、物議を呼びました。政治活動の精神的、肉体的な負担の大きさを知っている私も、「選挙が終われば、政治よりも柔道の方に集中する」と言っているように感じ、「同じ民主党とは言え、話すこともないだろうな」と当時は冷めた目で彼女を見ていました。

しかし、参議院選挙後の8月に谷さんと初めて会い、印象は180度変わりました。毎年恒例の小沢塾の夏季集中講義に谷さんも協力議員の一人として参加。議員控え室で初対面の挨拶を交わしましたが、彼女の方から「谷亮子です。よろしくお願いします」と気さくに声をかけてきました。

想像以上に小柄で華奢な体格にも驚きましたが、長年国民的英雄としてスポットライトを浴び続けてきたにもかかわらず、目立たない場所で先輩議員の一人ひとりに礼儀正しく謙虚に接する姿に大変好感を持ちました。

その後も9月の代表選挙の際に、小沢さんを応援する会合でも何度か一緒になる機会がありました。大勢の議員やマスコミを前にしても、常に堂々として、自分の言葉で心の込もった小沢さんへの応援演説をする姿を目の当たりにしました。世界の大舞台での経験がなせる技だと感心すると共に、政治家としての才能も十分に感じました。

それだけに、今回の引退の理由は、決して選手としての限界を感じたからではなく、政治家としてやっていけるという自信と、全てを賭けてやらねばならないという使命感を持ったからなのだろうと思いました。

引退会見でも、偉大なスポーツ選手の引退にありがちな寂しさや無念さが滲み出ることはなく、「柔道と政治活動の両立を多くの方に支持していただいたが、今後は国政の場でスポーツ振興や環境づくりに尽くしていきたい」と語った谷さんの表情は晴れやかで清々しく、これからの活躍を大いに期待させるものでした。

スポーツの実績では比較になりませんが、私も大学まで野球を続け、谷さんと同じスポーツ議連の一員です。共に力を合わせ、スポーツ振興とそれによる地域の活性化を目指してがんばりたいと思います。