いよいよ明日から本番の選挙戦が始まります。ここまでの前哨戦では、民主党への追い風があったとも言われていますが、本当の勝負はこれからです。勝負は、政権交代の必要性と我々のマニフェストの正当性をいかに多くの有権者の皆様にご理解いただけるかにかかっていると思います。私は、次のように考えています。

まず、政権交代がなぜ必要かと言えば、政治に国民の方を向いて仕事をさせるためです。

政権公約への違反、国民不在の政権たらい回し、政権維持のためのバラマキ予算など、民意を無視した党利党略に基づく政治を行えば、必ず次の総選挙で有権者から見放されるというプレッシャーを政治に与える必要があります。

そのプレッシャーが政権与党に使命感と緊張感と責任感を与え、政治が官僚や業界のために仕事をするのではなく、国民のために仕事をするようになります。その意味で、政権交代は、民主党や野党のためにというより、国民のために必要なものです。

次に、我々のマニフェストがなぜ正当かと言えば、「国民の生活が第一。」の理念に基づく政策だからです。

我々の政策について、よく「経済成長の戦略が明らかでない」とか「財政再建の道筋が見えない」といったご批判をいただきます。確かに経済成長も財政再建も重要な課題ですが、これらを実現するためには、まずもって、経済の成長より経済の安定財政の再建より財政の透明化、から取り組む必要があると考えます。

まず前者について。民主党は、子育て・教育・雇用・年金など国民が不安に感じる部分に重点的に予算を投じることを目指しています。そうすれば、国民が将来に備えて消費を手控えることがなくなり、経済が安定します。

経済が安定すれば、新たな産業に取り組む意欲も生まれ、経済成長の芽が生まれます。逆に経済の安定が見込めなければ、誰もリスクを取ろうとせず、新たな産業も生まれません。「国民の生活が第一。」の政治は、経済を安定させ、経済成長の土壌を作るのです。

次に後者について。財政の健全性を害せずに「国民の生活が第一。」の政策を実行するには、それ相応の財源が必要です。しかし、「財政再建のために早急に国民負担を増すべし」というのは、官僚的発想に基づく乱暴な議論だと思います。

国民の視点に立って、まずは、ひも付き補助金、天下り、特別会計、随意契約など、国民の目の届かないところで税金の無駄遣いが行われていないかどうかを徹底的に調査し、その結果を国民に公表しなければなりません。そして無駄遣いがあれば、それを政策実行の財源に振り替える作業を行うべきです。

この作業を経なければ、国民の行政に対する不信・不満は募る一方であり、かえって社会保険料などの納付率が下がり、財政に悪影響を及ぼすことも考えられます。むしろ財政の透明化が進み、国のお金の使い方に対する国民の疑念がなくなれば、増税など国民に新たな負担をお願いすることも可能となり、財政再建への道筋が見えてきます。

このようにして、「国民の生活が第一。」の政策は、経済の安定と財政の透明化をもたらし、最終的には経済成長と財政再建につながります。我々の政策は、多少粗い面はあるにせよ、理念や方向性に間違いはないと自負しています。

昨年来、100年に1度の金融・経済危機とたびたび言われてきましたが、今回の総選挙は、100年に1度の政治を大きく変える好機です。今から90年以上前に、盛岡が生んだ原敬総理が藩閥政治から政党政治へと政治の仕組みを変えたのに匹敵する、歴史的変化が手の届くところまで来ました。

今までの政党政治を進化させ、選挙による政権交代が可能な仕組みに変えられるよう、明日から12日間、民主党の同志と共に最後まで全力で頑張ります。