
3日、片山財務大臣は先月31日に日米が協調して円を買う為替介入を行ったことを公表。これにより、1ドル=163円前後だった為替相場が一時は155円台となり、急速に円高ドル安が進みました。日米が協調して円買い介入を行ったのは、1998年以来です。
また、今回の為替介入で日本は12兆円程度の外貨資産を売って円を買ったと見られていますが、ゴールデンウィーク中にも同じぐらいの規模の円買い介入を日本単独で行っています。今年の為替介入の総額は20兆円をはるかに上回り、すでに過去最高となっています。しかし、前回の為替介入の効果は長続きせず、今回も徐々に円安が進んでいます。
一方、5日、高市政権は、野党のみならず自民党内からの反対意見も多数ある中、食料品の消費税率を来年4月から2年間だけ1%にすることを閣議決定しました。頻繁に食料品の値上げが行われる昨今、2年後に8%に戻す際の低所得者への配慮が政府案には欠けています。そして、減税で失われる社会保障の財源や、打撃を受ける農業者や外食産業への支援のために必要となる2年間で10兆円程度の調達方法も、いまだ明らかになっていません。
振り返ると、27日の予算委員会での「物価を上回る賃金上昇のための手立てが必要ではないか」という私の質問に対し、高市首相は具体的な答弁を避けるという場面がありました。代わりに、問われてもいないのに「物価高対策には最優先で取り組んできた」として、長々と政府の施策を述べ、「現時点では主要先進国の中で最も低いインフレ率だ」と誇っていました。
ならばなぜ、巨額の円買い為替介入や2年限定の食料品1%を実行して、無理に物価を押し下げなくてはならないのでしょうか。まったく矛盾しています。今行うべきは、その場しのぎの「対症療法」で問題を先送りすることではありません。将来を見据えた「根本治療」によって問題を根本的に解決することです。
物価高の原因である円安の根本治療としては、政府の債務の増加をできるだけ抑えることのほか、過度な金融緩和を日本銀行が改め、景気に中立的な水準まで政策金利を引き上げること。そして、輸入代金の支払いのために円を売ってドルを買う取引が増えないよう、食料やエネルギーの自給率を高めることに力を入れるべきです。
また、物価高から家計を守る根本治療としては、史上最高水準の収益を挙げている大企業については、利益が賃金上昇につながるよう勤労者の代表を取締役会に参加させ、非正規雇用を極力制限すること。余裕のない地方の中小企業については、政府の重点支援地方交付金で経営を支援しながら最低賃金の引上げを着実に進めるべきです。