8日、野党が反対していた衆議院の比例定数を45削減する法案について、与党が今国会での成立を断念。また、党首討論に加え、今国会中に衆院予算委員会での集中審議を高市首相が出席して行うことも決定。これを受け、私と鈴木幹事長との会談を皮切りに、中道改革連合と自民党の国対委員長の間で1週間にわたって継続した協議は終了し、国会は正常化しました。
右にも左にも偏らず「センターライン」に沿って進む中道が野党第一党だったからこそ、多種多様な野党をまとめて、数に勝る与党から譲歩を引き出せたと思います。その一方、日本維新の会が「改革のセンターピン」と位置付け、自民との連立合意書では昨年の臨時国会中の成立を目指すとしていた定数削減法案は、今回も日の目を見ずに終わりました。
そもそも「センターピン」とは、ボーリングの的となる10本のピンのうち1番先頭に立っているピンです。「1番ピン」とも言われ、これをうまく倒せば、残り9本のピンは次々と倒れます。そのイメージから、企業経営などでは、多くの課題に直面したらそれらの関係をよく考えて、「センターピン」に位置する課題を最初に解決するのがよいと言われます。
しかし、与党の定数削減法案は、「センターピン」というよりも一番右奥にある「10番ピン」のように見えます。理由として、第一に、定数削減の前に企業団体献金の問題につき結論を出す必要があること。中道は3月2日、国民民主党と共同で「企業・団体献金規制強化法案」を衆議院に提出しました。維新も野党時代は企業団体献金の完全廃止を主張していました。政治の信頼回復という観点からは、こちらの方が「センターピン」です。
第二に、定数削減の議論は与党の会合ではなく与野党が集う国会で進める必要があること。昨年1月に、議員定数や選挙区割りなどに関し、国会において抜本的な検討を行うため、衆議院議長の下に「衆議院選挙制度に関する協議会」が設置されました。そこには与野党の全党派が参加し、真摯な議論を重ねています。民主主義の根幹である選挙の仕組みを議論する場としては、こちらの方が「センターピン」です。
第三に、定数削減の方法は、党利党略に基づくものであってはならないこと。現在の衆議院の選挙制度のうち、「比例区」は多様な民意を反映させるためにあります。「比例区」を減らせば野党の議席はさらに減ります。「身を切る改革」を進めたいなら、「小選挙区」で多くの議席を得た政党には「比例区」の議席割当数を減らす、両選挙区の「連用制」という方法もあります。多様な民意を反映しつつ定数を削減するなら、こちらの方が「センターピン」です。
「10番ピン」を最初に倒そうという無謀な企ては、そろそろあきらめるべきです。