5日、総額3兆1千億円の補正予算が成立。イラン情勢の悪化に伴い、燃料費、光熱費、資材の値上がりなどで事業者や消費者への支援が必要になることは、3月の時点で予想できたことでした。実際、3月12日のテレビ入りの予算委員会の質疑で、私から高市首相に対し、「補正予算は必要に応じて組むということでいいか」と尋ねています。
しかし、首相は3月末までは基金や予備費の残額で足りるという答弁をするだけで、4月以降の補正予算の要否には答えようとしませんでした。メンツにこだわって国民生活を軽視したのであれば論外です。そうでないなら、国際情勢や経済の見通しが甘過ぎます。
高市政権の重い腰を上げようと、中道、立憲、公明の3党で3月末から緊急のアンケートを実施。集まった1万2千件以上の声をもとに、4月下旬に私を含む3党の幹事長が官房長官と面談し、補正予算の編成を強く求めました。6月3日になって、政府はようやく補正予算を国会に提出しましたが、その中身は知恵も工夫も感じられないものでした。
まず、予算の使い道ですが、ほぼ全額が「予備費」となっており、現時点で具体的な使用方法は決まっていません。中道では、このうち2兆5千億円につき、①ガソリン・軽油等の価格引下げを段階的に減らしながら実施(1兆2千億円)、②低所得者や子育て世帯への支援金や、医療・介護・福祉・一次産業などエッセンシャルワークへの支援(9千億円)、③仕事が滞った中小企業の人件費と借入金への支援(3千億円)、④省エネ、再エネ、リサイクル原料の普及促進(1千億円)、という具体的な使い道に改めることを提案しました。
次に、予算の財源ですが、全額を赤字国債つまり借金で賄おうというのが政府の案です。高市首相は、前年度の予算の財源とするはずだった赤字国債の発行を同じ額だけ減らすので問題ないと弁解しますが、借金の残高が増えなければいいという訳ではありません。国債を発行する際の長期金利がこの数年で0%近辺から3%近くまで上昇しているからです。
3兆1千億円の国債を発行すれば年間1千億円近くも利払いで消えます。中道では、国が保有する基金の余りを財源として使うことで無駄な国債発行と利払いをなくせると提案しました。しかし、高市政権は、私たちの提案にまったく耳を傾けることなく、「数の力」で国会提出からわずか3日間で国会審議を終え、補正予算を成立させたのです。
岸田政権の時も今回とよく似た規模、方法の補正予算が成立しましたが、それでも5日間は審議をしました。時間をさんざん浪費し、おざなりな補正予算を国会に提出し、野党の知恵や工夫は無視。「容認できない」と3党の幹事長で合意し、こぞって反対票を投じました。