新たな1年が始まりました。皆様にとって、今年が健やかで実り多き年になりますよう、心よりお祈りいたします。さて、私は今年60歳の年男、還暦を迎えます。自分の干支は「丙午(ひのえうま)」であるということを、子供のころから意識させられてきました。

女性はもっと意識していたかもしれません。この年に生まれた女性は気性が激しく、夫の寿命を縮めるとの迷信があったためです。この迷信のために60年前は出産を控える方が多く、全国の出生数は136万人で合計特殊出生率は1.58でした。前年は182万人で2.14、翌年は193万人で2.23ですから、極端に少なかったことが分かります。

実際、小中学校で私の学年は前後の学年より1クラス少なかったこともありました。ただし、受験や就職で競争率が低くて合格しやすく、生徒会や部活で活躍しやすいというメリットもありました。一方、昨年の全国の出生数の見込みは66万人と前回の「ひのえうま」の年より激減しています。今回も「ひのえうま」の迷信にとらわれると大変なことになります。

今年からは高校授業料の「無償化」が広がり、公立小の給食が5200円まで公費負担となります。同学年が少ないメリットも60年前より大きくなっているはずです。若い世代には出産育児の環境が整ってきたことを理解してもらい、出生率の反転につなげていきます。

とらわれてはいけない迷信は、まだあります。一つは、米国が日本を外敵から守ってくれるという迷信。新年早々、米国のトランプ政権はベネズエラに軍事介入し、大統領を拘束しました。国際法を無視した暴挙の背景には、米国の新たな「国家安全保障戦略」があります。

その中で「米国が世界の秩序を支える時代は終わった」とし、トランプ氏は西半球(南北アメリカ大陸など)の問題に介入を強める「ドンロー主義」を掲げています。高市政権は日米同盟を背景に中国に強硬姿勢を取っていますが、いざという時に米国が頼りになるのか冷静に考えなくてはなりません。欧州やアジアとの安全保障上の連携を強化すべきです。

もう一つの迷信は、円安が日本経済にとってプラスだという考え方。以前は円安で貿易黒字が伸びれば景気が良くなり賃金も上がるという好循環がありました。今は、円安で海外から輸入する食料やエネルギーなどが値上がりして物価が上がる一方、トランプ関税などで貿易黒字は伸びず、賃金が物価の上昇に追いつかない悪循環が続いています。行き過ぎた金融緩和と放漫財政を改め、円安を反転させるべきです。

「迷信」にとらわれず、日本の未来に「確信」と「安心」が持てる一年にしたいと思います。