18日、財務金融委員会で「特別会計法改正案」の質疑を行いました。特別会計と言えば、今から22年前、当時の財務大臣だった故・塩川正十郎さんが残した、「母屋でおかゆをすすっているときに、離れですき焼きを食べている」という名言を思い出します。「母屋」は一般会計、「離れ」は特別会計を指します。一般会計は借金だらけで支出を切り詰めているのに、特別会計は余裕があって無駄遣いをしていることを皮肉ったものです。

この発言をきっかけに特別会計のあり方が問題視されるようになり、民主党政権では私も担当して特別会計の改革に着手。2013年の法改正で、17の特別会計に51の勘定があったものを、14の特別会計に34の勘定まで減らすことができました。特別会計が必要以上に資産を持たぬよう、決算で余ったお金は適切に処理する定めも置きました。

にもかかわらず、今回の法案では、財務省が所管する「財政投融資特別会計」の「投資勘定」で余ったお金を、貯め込めるようにします。塩川さんの例えを借りれば、「離れですき焼きが余ったので、冷凍して後で食べる」ことができるようになるのです。過去10年で約2兆円が「投資勘定」から一般会計に戻されましたが、これが大きく減るかもしれません。

担当局長に「いくら減るのか」と質問しても、明確な答弁はありませんでした。「なぜこんな仕組みを設けるのか」と加藤財務大臣に尋ねると、「投資勘定」に入るお金は、政府が保有する株式の配当金などで振れ幅が大きいので、投資に回すお金が足りなくなるおそれがあるからだ、とのことでした。しかし、本当の理由は別にありそうです。

実は、この法案とは別に、エネルギー対策特別会計という「離れ」が半導体産業などに10兆円以上を投資するための法案が国会で審議中です。投資の原資には、2兆円強の国債発行による借金を含みます。この借金は「投資勘定」が肩代わりをし、26年間にわたって毎年800億円ずつ返済する予定です。今後は「投資勘定」の資金繰りが厳しくなるのです。

そもそも、「投資勘定」は文字通り投資をして収益を得るためにあります。「他の特別会計の借金肩代わりで将来資金繰りが行き詰った場合、『投資勘定』にお金を融通するために一般会計の予算を組むことなど国会が許すはずがない」と財務省は察したのでしょう。だからこそ、「投資勘定」になるべくお金を貯め込めるようにし、資金不足に備えているのです。

この法案は、要するに、財務省の「離れ」でいつでもすき焼きが食べられるようにするだけでなく、隣(経済産業省)の「離れ」のすき焼き代金まで面倒を見られるようにするためのものです。塩川さんも草葉の陰で泣いていらっしゃるのではないでしょうか。