18日、財務金融委員会で質疑を行いました。質疑の前に財務省の幹部から、「最近、SNSで財務省への誹謗中傷が多い。若手の中には気が滅入っている者もいる」という話を聞きました。確かに、財務省は国の予算を削ったり、国民の負担を増やしたり、国民の元気を奪うような仕事をしています。それが職責である以上、やむを得ない面もあります。

しかし、長引く物価高に苦しむ国民を明るい気持ちにさせることを、たまにはしてもいいはずです。そんな前置きをしつつ、質疑の冒頭、メジャーリーグで歴史に残る活躍をした大谷選手に触れ、「国民にとって誇るべき偉業をたたえ、50円硬貨を2枚組(50-50)にして記念硬貨を発行してはどうか」と、加藤財務大臣に提案しました。財務省は記念硬貨を発行する権限を持っていますが、加藤大臣は「(法律の定める条件に)まったく該当しないとは言わないが、慎重な検討が必要だ」と、財務官僚の出身らしい素っ気ない答弁。

その後、本題である「103万円の壁」の引上げに関する自民、公明、国民民主の合意書を取り上げました。合意書には、「『103万円の壁』は、国民民主党の主張する178万円を目指して、来年から引き上げる」と書かれています。ただし、来年に103万円をいくらまで引き上げるのかは不明です。加えて、「103万円の壁」というのは所得税という国税の壁です。国税だけでなく、地方税である住民税も減税するには、「103万円の壁」だけでなく地方税の壁である「100万円の壁」も同時に引き上げる必要がありそうです。

そこで、住民税を所管する総務省の冨樫副大臣に対し、「『103万円の壁』を引き上げても、地方税の壁が必然的に引き上がるわけではないという理解でよいか」と質問。冨樫副大臣は、しどろもどろでしたが、最終的には、「103万円の壁」を引き上げたとしても、地方税の扱いを変えない限りは、地方税である住民税には影響が及ばないことを認めました。

だとすると、累進課税の所得税が減税されても、定率10%の住民税が減税されないと、年収が低い人ほど恩恵は小さくなります。例えば、年収110万円の人は、所得税は5%の最低税率です。即ち、「103万円の壁」が178万円に引き上がると、所得税は納める必要がなくなって5%の減税となりますが、10%の住民税は納めなくてはなりません。

案の上、20日に与党は、所得税の壁は20万円、住民税の壁は10万円だけ引き上げることを決めました。国民民主党は合意に反すると主張していますが、合意書をよく読めば、この結論は許容範囲内です。かなり手の込んだ合意文言でしたが、政治家ではなかなか考えつきません。減税額をなるべく減らしたい財務省の入れ知恵だった可能性は十分あります。財務省が嫌われるのは、裏で政治家を操る印象が強いせいでもあります。