10日、「政治塾・新時代いわて」の仲間と共に、釜石市と陸前高田市の視察を行いました。

最初は「釜石港」。昨年のコンテナ取扱量は、震災前の60倍近くに達しました。震災後に大型国際貨物船が寄港するようになり、2017年に大阪府から大量のコンテナを円滑、迅速に積み下ろしできる「ガントリークレーン」の寄贈を受け、2019年に釜石と花巻を結ぶ横断道が開通したことなどが寄与したようです。県南の工業地帯の発展により、今後も取扱量が増える可能性は十分あります。岩手県全体の経済成長に貢献する重要な公共施設ですが、周辺の道路網を整備することで、さらに使い勝手が良くなると思います。

次に訪ねたのは「いのちをつなぐ未来館」。ガイドさんから、同じ鵜住居で明暗が分かれた震災時の二つの出来事の説明を受けました。防災教育の重要性を痛感しました。釜石視察の最後に「岩手県こころのケアセンター」を訪問し、専門医の大塚耕太郎先生から、大災害後に心のケアを継続することの重要性を伺いました。政府は来年度をもって復興事業としての「心のケア」を終了する方向のようですが、被災地は「精神医療の過疎地」であり、平時の体制で「心のケア」を続けるのは困難です。復興事業の継続を働きかけていきます。

その後、陸前高田のコミュニティホールに移動し、市の観光物産協会で活躍する多勢太一さんから、全線開通から5年が経過した「みちのく潮風トレイル」の利用状況などをお聞きしました。「みちのく潮風トレイル」は、青森の八戸市から福島の相馬市までの沿岸を結ぶ全長1千キロを超えるウォーキング・コースですが、その中間点が陸前高田の大野海岸にあります。観光物産協会では、国内外の利用者の増加に向け、便利で分かりやすい地図の作成や、関連商品の製造・販売、野営場の整備などに取り組んでいます。三陸鉄道など公共交通機関との連携が進めば、さらに集客が見込めそうです。

最後に、長年にわたって市の防災課長を務め、岩手大学の地域防災研究センターの客員准教授でもある中村吉雄さんから、実戦的な防災対策についてお話を伺いました。とくに印象的だったのは、地域の実情を把握して活動する防災リーダーの育成に力を入れていること、オートコールとAIを活用して短時間で多数の高齢者の方々の安否や避難状況を確認できるシステムを導入していることです。これは、他の地域でも見習うべき取組みです。

翌11日は宮古市を視察する予定でしたが、特別国会の開会日に重なったため、仲間と離れて上京しました。東日本大震災から13年8か月が経過しましたが、復興に向けた関係各位のご努力の積み重ねによって、被災地の潜在能力が高まっていることを実感しました。これらを開花させるべく、引き続き震災復興に携わっていきます。