20日、立憲民主党では、私が座長を務める財務金融部門と農林水産部門等の合同会議を開催しました。10月から始まる消費税のインボイス制度によって、農林水産業に従事する方々がどのような影響を受けるかにつき、財務省や農水省から説明を受けるためです。

インボイスとは、売買などの取引の際に発行する、品目ごとに消費税率・税額を記載する請求書や領収書のことです。インボイスを発行するには税務署への登録が必要です。そして、年間売上高が1千万円以下である消費税の「免税事業者」は、この登録ができません。一方、「免税事業者」に代金を支払う「課税事業者(簡易課税事業者を除く)」としては、インボイスを受け取れないと、支払った消費税を納める税額から控除する「仕入税額控除」という仕組みが使えなくなります。

そこで、様々な業界において、立場の強い「課税事業者」から「免税事業者」に対して、「課税事業者」への転換を促したり、取引を見直したりといった「圧力」が加えられてきました。この問題を我々が国会で取り上げ、政府も「圧力」を弱めるべく、「免税事業者」と取引した「課税事業者」についても、今後6年間は仕入税額控除を一定範囲で認めることとしました。ただし、根本的な問題解決には至っていません。加えて、「免税事業者」にはもう一つ、第三者による批判という「圧力」があります。それは、「免税事業者は、消費税を顧客から受け取って、自分の利益にしている」という批判です。

この「益税」批判が妥当かどうか、会議で私から財務省に確認しました。担当者は、「事業者は、・・・消費税を円滑かつ適正に転嫁する」という定め(税制改革法11条)を根拠に挙げ、「免税事業者であっても、仕入れの際の消費税を価格に上乗せすること自体は適正な転嫁だ」とした上で、「それを超えて価格に上乗せすれば『益税』となるが、『益税』が発生しているかについては、それぞれの事業者の価格設定次第だ」と答弁しました。

だとすると、「免税事業者」が、軒並み消費税を「益税」にしている、という批判は単なる誹謗中傷だと言わざるを得ません。むしろ、産直や朝市などで新鮮な農水産物を販売している方々は「免税事業者」がほとんどでしょうが、消費税が8%、10%と上がっても良心的な価格を維持しています。消費税の「適正な転嫁」すらしていないかもしれません。

また、そもそも政府は、複数の消費税率の下で適正な課税を行うためにインボイスが必要だとしますが、現在のやり方でも適正な課税は可能だと専門家が指摘しています。「免税事業者」が不当な圧力に苦しみ、その意思に反して「課税事業者」に転換したり、廃業に追い込まれたりすることのないようにするためにも、インボイス制度は廃止すべきです。