3日、岩手県では知事選挙と県議会議員選挙が行われました。先に行われた盛岡市長選挙と盛岡市議会議員選挙を合わせ、盛岡市民は、1か月弱の間に四つの地方選挙に投票しました。とくに議会選挙はいずれも激戦でした。市議会は定数38人に対して50人が立候補し、38番目の当選者と次点候補者との差はわずか6票。総投票数の中の0.005%の違いが明暗を分けました。県議会の盛岡選挙区は定数11人に対して14人が立候補し、11番目の当選者と次点候補者との差は22票。0.02%の違いが勝負を決めました。改めて一票の重さと選挙の厳しさを感じさせられた選挙でした。
さて、この間、議会選挙の演説でよく耳にしたのが「皆さんの声を県政(市政)に届けます」という表現です。今や、メールやSNSを使えば誰でも行政に声を届けられます。「議会の質問で声を届けるのは、重みが違う」ということかもしれませんが、その質問自体、生成AIを使えば簡単に作れるようになりました。これからの時代、議会人には有権者の声を届けるだけではなく、以下の二つの役割がますます重要になってくると考えます。
一つは、「声を届けた結果、どういう結果になったのか有権者に分かりやすく伝える」ということです。これをなるべく早く行うことで、有権者にとって政治が身近になり、関心も高まります。選挙演説では、「県政(市政)とのパイプ役になる」というたとえもよく聞きました。自分が「パイプ」になることで、一方通行ではなく双方向に情報を流すという意味であれば、「声を届ける」だけの人よりも議会人としてふさわしいと思います。
もう一つは、「直接聴く声だけでなく、『声なき声』も届ける」ということです。最近、「人口減少や物価高を食い止めて欲しい」という声をあちこちで聴きます。一方、「人口減少や物価高が進んでも食っていけるようにして欲しい」という声はあまり耳にしません。人口減少や物価高はコロナ禍と同様、「あってはならない」という発想があるためです。
しかし、人口減少が進んでも地域の外の人が来てお金を使い、地域で回るお金が増えれば経済はよくなります。その結果、給料が物価以上に上がれば、生活はよくなりますし、年金も上がるので高齢者も困りません。こうしたことに着目し、県議選の盛岡選挙区で唯一「観光立県」を主張し続けたのが、私の応援する「髙橋たじま」候補でした。
大票田を地盤とするわけでもなく、政党や組織の支援もない中で、見事に上位当選を果たしてくれました。今回で5期目の当選ですが、まだ48歳と働き盛りです。彼のような地方議員たちと私たち国会議員が切磋琢磨し、有権者と議会人との距離を縮め、政治と政策を進化させていきます。