ここ数日、衆議院の解散があるかないかをめぐり、様々な噂や報道が乱れ飛んでいました。その原因は、最近の岸田首相の思わせぶりな態度です。一時は「野党が内閣不信任案を国会に提出すれば、岸田首相は即座に衆議院を解散する」という情報が永田町に広まりました。しかし、15日に立憲民主党が内閣不信任案を提出する方針を決めると、岸田首相は、不信任案が提出される前なのに「今国会中の解散を見送る」と表明しました。

内閣不信任案を提出されてしまうと、解散せざるを得なくなるのを恐れたのだと思います。岸田首相は、当初から衆議院を解散する気などなかったことが、これではっきりしました。自ら「解散風」を起こしておきながら、退散するのは恥ずべきことです。一方、16日に立憲民主党が提出した内閣不信任案については、残念ながら、与党はもちろん維新、国民などの賛同も得られず反対多数で否決されました。

しかし、昨年から続く統一教会問題や物価高への中途半端な対応、財源の当てもなく膨張する防衛力強化や少子化対策の予算、外国人の人権を軽視する入管法改正、相次いで辞任した閣僚や首相秘書官の任命責任、そして失態だらけのマイナンバーカードなどなど、不信任の理由を挙げればキリがありません。立憲民主党は、ひるむことなく岸田政権に対峙するとともに、他党に一目置かれるような、魅力と説得力のある政策を提案する力をもっと高める必要があると痛感しました。

そうした中で、ネクスト財務金融大臣を務める私が、最近、同僚議員とともに力を入れているのは、生活必需品の物価高で低所得者ほど負担が重くなる消費税への対策と、アベノミクスで失われてきた財政規律を取り戻す方策です。

前者については、13日に「消費税還付法案」を衆議院に提出しました。中低所得者の消費税の負担を減らすために、標準的な収入のある世帯の年間の消費税負担額の約半分である10万円を、低収入の世帯には満額、収入が上がるにつれ減額して高収入世帯のやや手前でゼロになるよう現金の給付か所得税の減額で還付するものです。収入が少ない世帯ほど恩恵が多く、対象世帯を絞るため財政負担も少なく済みます。

後者については、15日に「財政法改正案」など3法案を衆議院に提出。政府によるお手盛りの経済財政見通しではなく、国会に独立財政機関を置いて、公正中立に将来の経済と財政の見通しを示し、これに基づいて政府が計画的に予算案を作成するとともに、決算の国会審議を早めて次の予算案の作成に生かそうというものです。「解散風」に惑わされることなく、野党第一党の責任を果たすため、日々の職務に全力で取り組んでいます。