安倍元首相の銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の「マインドコントロール」で正常な判断力を奪われた方やその家族が、精神的にも経済的にも深刻な被害を受けてきたことが改めて注目されています。ここに至るまで、余り目を向けてこなかったことを反省しています。
そうした中、7月25日、立憲民主党は「旧統一教会被害対策本部」を立ち上げ、元信者や専門家からヒアリングを重ねるとともに、被害者を救済し、被害の再発を防ぐための法案づくりに取り組んでいます。私も副本部長として、この取り組みに参加しています。
現時点での法案のあらましは、①霊感商法など、正常な判断力を奪う情報を与えられて高額な取引や寄付を行った被害者は、これを取り消すことができる、②被害者本人が「マインドコントロール」から抜け出せない場合には、本人に代わって家族などが取り消すことができる、③「マインドコントロール」を利用して重大な損害を与えた加害者は刑罰の対象となる、④この加害行為を組織的に行った法人は解散命令の対象となる、といったものです。
③と④はフランスで施行されている「反セクト法」を参考にしていますが、国家権力による民間への過度な介入とならないよう、慎重に議論を進めたいと考えています。
ところで、旧統一教会のような危険性が知れ渡った団体による「マインドコントロール」は警戒できたとしても、知らないうちに別の身近な「マインドコントロール」の危険にさらされているのが現在のデジタル情報化社会です。
「グーグル」や「アマゾン」といった巨大プラットフォーム企業が、インターネット販売の顧客やSNSの利用者から膨大な個人情報を収集・分析・評価(=プロファイリング)した上で、対象者の性格、能力、関心、嗜好に合った広告や情報を集中的に提供(=マイクロ・ターゲティング)しているからです。
偏った広告や情報しか受け取れなくなった人たちは、企業の意図する方向で消費し、行動する可能性が高まります。合法ではあるものの、個人の自由な意思決定に影響を与える点では一種の「マインドコントロール」です。私が座長を務める、党の憲法調査会の下に置かれた「情報化社会と人権保障分科会」では、こうした問題の解決策などを議論しています。
旧統一教会や大企業と持ちつ持たれつの関係にある岸田政権では、いずれの「マインドコントロール」にも風穴を開けられないと思います。個人も国家も道を誤らぬよう、一人ひとりが自由に判断し、活動できる、透明で偏りのない情報環境を整えていきます。