新型コロナの感染者が急拡大し、一日の新規感染者が全国で20万人を上回り、岩手でも千人を超えるようになりました。いまや日本の新規感染者が世界の主要国の中で最も多くなっています。今回の第7波では「BA.5」というウィルスが主流ですが、厚労省によると従来のオミクロン株よりも感染力は高く、重症化リスクは同程度。ただし、国内の実験では、「病原性が増加している」とのデータもあります。
「盛岡さんさ踊り」をはじめ夏祭りやお盆の帰省ラッシュを控え、感染拡大防止と社会経済活動の維持をどうやって図るか、今年も悩ましい状況になってきました。これまでの経験を踏まえると、大切なことは根拠も効果も不明な「やってる感」のコロナ対策ではなく、客観的で明確な根拠に基づく「納得感」あるコロナ対策を実行することです。
例えば、22日から濃厚接触者の自宅待機期間が5日間に短縮され、抗原検査キットで2回陰性なら3日間でも待機を終えられることになりました。厚労省によると「そうした条件を満たした濃厚接触者で無症状の人がコロナに感染している確率は、市中のコロナ感染者の存在確率とほぼ同じだ。その人が社会経済活動を再開しても市中の感染拡大につながらない」とのこと。その確率は5%程度と言われていますが、計算の根拠は不明です。そして、なぜ5%なら市中で感染拡大しないのかも不明です。
こうした「やってる感」だけで「納得感」が乏しい例として、過去には政府の「まん延防止等重点措置」に基づく飲食店への時短営業要請がありました。もし第7波でこれをやるのであれば、飲食店でクラスターが増加している根拠と、過去に時短要請が行われた地域ではそれ以外の地域よりもクラスターが減少したという効果を示すべきです。現時点で、クラスター増加の根拠はなく、効果についても予算委員会で岸田首相に尋ねましたが、今日に至るまで飲食店の時短営業でクラスターが減少したことを示すデータを見たことがありません。
29日には、新型コロナの感染が拡大し、医療の負担が増大している地域において、都道府県による「BA.5対策強化宣言」が発せられることが決まりました。政府担当者によると、宣言が出ても住民の行動が制限されることはなく、飲食店の時短営業は考えていないとのことです。これについても、政府が「やってる感」にこだわり、今後事業者や住民に不安や混乱をもたらすことのないよう、厳しく監視して「納得感」あるものにしていきます。
それにしても、岸田政権の目玉公約であった「感染症危機管理庁」については、第7波になっても法案を出す気配がありません。政府与党は、次期国会をたった3日の会期で終えるつもりのようです。これでは「やる気」すら感じられず、「やってる感」以前の問題です。