27日、予算委員会で補正予算案に関する質疑を行いました。政府の補正予算案は原油高・物価高対策が目的です。しかし、総額2.7兆円のうち半分以上の1.5兆円は使い道が未定の予備費、残り1.2兆円はガソリンや灯油価格の上昇を抑えるための「原油価格高騰対策」です。質疑の中でも取り上げましたが、立憲民主党が提案している、①コロナ禍で収益が激減して多額の借入を行った中小企業の債務減免策、②米価の下落で収入が減る中で燃料代や肥料代がかさんでいる米作農家への所得補償策、などは含まれていません。

「今後の物価見通しにつき日本銀行は高止まりか上昇を予想しているのに、今回の補正予算は金額が少なく中身もなく中途半端ではないか」と岸田首相に問うと、「今後の物価は不透明なので、9月までのしっかりとした体制を用意した」と答弁。しっかり体制を作ったのに、「予見しがたい予算の不足に充てる」予備費を追加するのは矛盾しています。

また、岸田首相は、「物価は不透明」としますが、むしろ物価が上がり、格差が拡大する原因である「円安」を加速させる政策を採っています。ロンドンでの「新しい資本主義」の演説で岸田首相が突然言い出した「貯蓄から投資へ」がそれです。金融庁の高校生向けの金融教材では、100万円を今後20年間運用した場合、国内で預貯金するとたった200円しか増えないのに、外国株式に投資すれば400万円以上になるとの試算が出ています。

これを見れば、余裕資金がある人は、円を売って外国の株式などで運用するでしょう。その動きが広がれば、円安による物価高がますます進み、物価高対策と矛盾します。さらに、余裕資金がある人とない人の格差も広がります。「新しい資本主義」で格差を小さくすると岸田首相は述べてきましたが、これとも矛盾が生じます。

さらに、こうした国内で預貯金するより海外で運用した方が有利な状況を作り、円安による物価高を招いている根本原因は、第二次安倍政権が発足した直後に政府と日銀が発表した「共同声明」です。その中で、「日本銀行は、物価安定の目標を消費者物価の前年比上昇率で2%とする」とうたっています。これを2年で達成するため、日銀は異次元の金融緩和と称してお金を大量にばらまき、超低金利にしました。しかし、9年経過しても目標は達成できず、最近の物価高も一時的だとして金融緩和を続け、円安による物価高を招いています。

岸田首相に対し、「『共同声明』を変えて、物価の前に賃金が上がる『良い物価上昇』を目指すことを明らかにすべきだ」と迫りましたが、共同声明は変えず、物価上昇も賃金上昇も目指すというどっちつかずの答えでした。岸田政権では、消費者や中小企業、農業者を苦しめる「悪い物価上昇」は止められません。