5日、東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県で緊急事態宣言の再延長が決まりました。3月7日だった期限が、21日まで2週間延びることになります。2月26日~3月4日の1週間は、新型コロナの新規感染者数が下げ止まりか増加傾向にあり、やむを得ない判断です。

一方、同じ期間で岩手県の新規感染者は1、秋田県はゼロ、青森県は4となっていて北東北は感染拡大の防止に成功しています。全国を見渡しても、1週間でほとんど新規感染者が出ていない県が多くなっています。

このように感染者数の動向では地域ごとの差が大きくなった一方、経済的には、どの地域でも昨年11月頃から観光・交通・飲食関連を中心に大きく落ち込んでいます。「県民割」など、こうした分野の消費を増やす取り組みが地域ごとに行われてきたものの、岩手県をはじめ、予算の関係でそろそろ終了するところも多くなっています。

先日成立した国の補正予算で、地方独自の取り組みに使える「地方創生臨時交付金」が1兆円追加されました。ただし全都道府県に人口や事業者数等を基に配分されるので、岩手、秋田、青森はいずれも70億円程度です。3県合わせても東京の260億円に及びません。

さらに、東京をはじめ感染拡大地域には、この金額とは別枠で、営業時間の短縮要請の協力金の財源として2兆円以上が配分されてきました。他方、感染抑止に成功した地域向けに別枠はありません。経済の落ち込みは変わらないのに、事業者への支援という面では、感染拡大防止に成功した地域より、感染が拡大した地域の方が大きいという現実があります。

2日の財務金融委員会で、秋田県出身の菅首相にこのような実態を伝えるとともに、観光・交通・飲食関連の事業者は地域の経済や雇用を支えており、五輪誘致の原動力となった「おもてなし」の提供者でもあるとして、事業継続をあきらめるようなことがあってはならないと強調しました。

その上で、地方創生臨時交付金に「感染抑止地域活性化枠」を設け、政府が追加で財源を配分。これにより、感染拡大を防いだ地域が独自に観光・交通・飲食関連の需要を増やす施策を打てるようにすべきではないか、と要請しました。

菅首相は、「そうした実態は、私自身、十分承知している。地域の中で一番傷んでいるところに、その対策というのは当然必要だ」と答弁しました。具体的な方法やタイミングには踏み込みませんでしたが、同じ東北出身者として前向きな答弁をもらえたという印象です。「後手後手」ではなく「先手必勝」で実行されるよう、引き続き働きかけます。