19日、立憲民主党を代表して衆議院本会議で質疑を行いました。議題は今後5年間、政府が赤字国債を自由に発行し、借金を重ねられるようにする「公債発行特例法改正案」です。

もちろん、借金を重ねるにはそれに応じる貸し手が必要です。政府にとって頼みの綱は日本銀行です。こちらは2%の物価安定目標が何年たっても道半ばであることを口実に、マイナス金利と赤字国債の爆買いを続け、政府の借金を助けています。

「金融の秩序に反するような政府と日銀の異常な関係は持続可能なのか」と麻生財務大臣兼金融担当大臣に尋ねたところ、「日銀は独立した立場で金融政策を行い、政府は必要に応じて赤字国債を発行している。政府と日銀の間に異常な関係はない」と現実を無視した空々しい答弁。「この法案が、国民に新たなリスクと将来への不安を背負わせるものだという認識はあるか」という問いにも、正面から答えませんでした。

また、16日の財務金融委員会での質疑に続き、「赤木ファイル」問題についても尋ねました。「赤木ファイル」とは、公文書改ざんに関わって自殺した赤木俊夫さんが生前に作成し、財務省に残したファイルです。改ざんの真相を解明する最大の手がかりと見られています。この「赤木ファイル」につき、財務省は、衆議院の予備的調査には「裁判に不当な影響を及ぼす」として提出せず、赤木夫人が提起した民事訴訟では「裁判の結論に影響がない」として提出を拒んでいます。都合の悪い情報を隠したいがために「二枚舌」を使っているのです。

なぜ「赤木ファイル」の存否すら答えないのかと追及すると、麻生大臣は「赤木ファイルの提出は訴訟の主要な論点になっているので、回答すると裁判に不当な影響が及ぶ」と答弁しました。訴訟の中で「回答してもしなくても裁判の結論に影響はない」と主張していることと明らかに矛盾しています。

さらに、質疑の最後で、東京五輪・パラ五輪の組織委員会会長に就任した橋本聖子参院議員が、自民党を離党せず、北海道の自民党組織の会長に留まる意思を示したことについて、五輪の理念である「政治的中立性」に反することを指摘。「自らの身の処し方を十分わきまえて頂きたい」と述べたところ、本会議終了後に橋本氏は離党を表明しました。

橋本氏は夏冬の五輪に合計7回も出場した素晴らしいアスリートでした。フェアプレー精神を欠く政権の中で大臣を務めるうちに、本来の自分を見失ってしまったのかもしれません。残念な事態でしたが、新たな職務に専念し、多くの国民の賛同を得られる形で東京五輪・パラ五輪を着地させて欲しいと思います。