3日、新型インフルエンザ特措法と感染症法の改正案が成立しました。入院拒否や調査拒否に懲役刑や罰金刑を科すことについては、私たち野党の力でなんとか阻止できましたが、行政罰である過料が導入されました。また、休業や営業時間短縮などの要請に協力した事業者へは、「経営への影響等を勘案」した支援金が支払われることになりました。野党の主張に基づくものですが、十分な金額になるかは政府のやり方次第です。逆に協力しない事業者には、過料が科されます。

一方、休業手当が支払われない労働者に国が賃金の8割を支給する休業支援金は、これまで休業手当を支払う余裕のない中小企業で働く方々を対象にしてきました。ただ、大企業であっても、ホテルや飲食チェーンなどで「シフト制」で働く方に対しては、「休業手当を支払う義務はない」と主張する会社が多いのが現実です。

収入を絶たれた方々の悲痛な訴えに応えようと野党が努力し、5日、「シフト制」で働く大企業のパートやアルバイトの方々にも、休業支援金が支払われることになりました。とはいえ、今回の政府の決定では、今年1月8日以降に休業した日数しか対象にしていません。1年近く無収入だった人たちにとっては、納得できない内容です。

菅政権は、野党の提案を一部は取り入れますが、国民への厳しい姿勢が目立ちます。「自助」を重んじているせいかもしれません。そうであればなおのこと、仲間や身内に対して厳しい姿勢を取らなければ示しがつかないはずですが、実態は真逆です。

先日は、自民党の幹部ら3人の議員が夜半まで銀座で飲み歩いていたことが発覚しました。しかも当初の弁解はまったくの虚偽でした。飲食店には営業時間の短縮を求め、感染者には保健所の調査で真実を語るよう求め、違反すれば罰を与える法改正を目指す党に所属する議員たちがすることとは思えません。全員離党しましたが、本来なら党総裁でもある菅首相が「除籍処分」にすべきでした。

3日には、選挙買収の罪で有罪判決を受けた河井案里参院議員が辞職しました。河井氏には自民党の政党交付金から他の候補の10倍の1億5千万円が支払われていました。当選以来、ほとんど議員活動をしていないにもかかわらず議員報酬などで約5千万円も受け取っていました。原資はいずれも税金です。休業支援金をもらえず困っている人が多い中で、許されないことです。菅首相は、政党交付金を何に使ったのか河井氏に説明させると共に、破格の「休業支援金」について国庫返納を命じるべきです。

併せて、菅首相の長男が総務省から違法に「公助」を得ようとした疑いが生じました。国民に「自助」を求める前に真相を解明すべきです。