24日、第186回通常国会が始まり、安倍首相の施政方針演説を皮切りに、外交演説、財政演説、経済演説の政府4演説が行われました。通常であれば、これに対する代表質問が行われた後、予算委員会で来年度の当初予算の審議が行われます。しかし、安倍政権は昨年に続き、今年も総額5兆5千億円にも上る大規模な補正予算を提出し、当初予算の前に審議されることになりました。
補正予算で当初予算を簡単に増やせるとなると、当初予算の意味がなくなります。財政法という法律でも、補正予算で支出を増やせるのは例外とされ、国が支払う義務のある経費が当初予算では足りなくなった場合のほか、「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費」を支出する場合に限られます。
そこで、今回の補正予算が「特に緊要(=特別な緊急性、必要性があること)」といえるかどうかを考えると、次のような問題があります。
①政府によると、今回の補正予算の目的は、「(消費税率引き上げによる)反動減を緩和して景気の下振れリスクに対応する」ことだそうです。しかし、補正予算は今年度、つまり3月までに支出される予算です。消費税引上げは4月ですから、3月までに支出するのでは「反動減」や「景気の下振れ」に対応するという目的に合いません。
②このことについて、官僚は、補正予算で行う事業は来年度に繰り越せるので4月以降も支出できると説明します。とすると、来年度の当初予算で対応すればいいわけで、今回の補正予算は「特に緊要」と言えないはずです。
③さらに、「当初予算は地方議会の議決などを経て支出する必要があるため、6月ぐらいまで支出できず、空白期間が生じてしまう」と官僚は強弁しますが、今回の補正予算には、被災者が住宅再建した際の給付金など7月以降に支出されるものも多く含まれています。
要するに、今回の補正予算の実態は、来年度の当初予算の一部であり、当初予算の額を少なく見せるための「粉飾」ないし「飛ばし」です。政府は、消費税引上げで国民にこれまで以上の負担を求めるのなら、税金の使い方もこれまで以上に厳しく、かつ、透明なものにしなくてはなりません。法律の定めを無視した補正予算など論外です。