IMG         _1768政治家をはじめ公の仕事をする人間にとって、批判に耐え、それを真摯に受け止めることも大事な仕事だと思います。中には、言われなき誹謗中傷もありますが、そのような言動に至った背景、原因を考えてみることで、自らの反省点、改善点も見えてきます。

このところ、批判に耐えられない公人の暴言が続いています。被災者支援を担当する復興庁幹部の水野氏が、放射線による健康被害を考える市民集会に参加した後、「左翼のクソどもから、ひたすら罵声を浴びせられる集会に出席」とツイッターに書き込んだこと。人権人道大使を務める元外交官の上田氏が、国連の拷問禁止委員会での発言中に会場の聴衆に対し、「笑うな、どうして笑うんだ、黙れ!(元の発言は英語)」と怒鳴ったこと。信じ難いことです。

後者について、暴言の発端は、日本の刑事司法手続きなどが拷問等禁止条約に沿うかどうかを審査する上記の委員会で、他国の委員が「有罪判決を得るために、あまりにも被収容者の自白に頼り過ぎている。これは中世に行われたやり方だ」と発言したことでした。これに対し、上田氏が「日本は中世では決してありません。日本はこの分野において最も先進的な国の一つです」と反論したところ、聴衆から失笑が漏れ、怒鳴ったようです。

そもそも日本では、「人質司法」と言われるように、逮捕され自白せずに無罪を主張していると、長期にわたり身柄を拘束されることがままあります。この度、厚生労働次官への昇格が決まった村木さんもその被害者です。その意味で、上田氏の反論は説得力が乏しく、聴衆に矛先を向ける前に自らの発言を振り返るべきです。

私は、11日の法務委員会の質疑で、上田氏の処分につき、任命権を持つ外務省に尋ねました。あべ政務官は、「表現ぶりが適切ではなかったので、しかるべく口頭での注意を行った」と答弁しました。私は、単に「表現ぶり」の問題ではなく、人権人道大使としての適格性が問われる問題だと思います。日本の刑事司法の実態を把握していないことに加え、他国の批判に耐えられず逆上する人物は、「人権人道大使」の名にふさわしくありません。速やかに解任すべきです。

批判に耐えられないと言えば、安倍首相も、元外務審議官の田中氏が右傾化する日本外交を問題視する発言をしたことに対し、「彼に外交政策を語る資格はない」と自身のフェイスブックに投稿しています。公人の最たるものである総理大臣として、あまりにも度量が狭いと思います。そして、この事実からも、憲法21条を改正し言論を統制しやすくする自民党の憲法改正案がいかに危険なものなのか、明らかだろうと思います。