岩手など北日本を中心に、クマが至るところで出没しています。盛岡市では市役所裏、原敬記念館、岩手銀行本店、岩手大学といった、市民や観光客がよく行く場所にもクマが現れました。クマの餌となるドングリなどが不作のため、山から人里へ下りて来ていると言われていますが、もはや「人里」というより「人混み」にクマが出ても不思議ではありません。
今年度に入って過去最多の12名がクマに襲われて亡くなっています。そのうち岩手県内の被害者は最多の5名に上ります。こうした事態を受け、28日、立憲民主党では「クマ被害対策」をまとめ、9月から始まった「緊急銃猟」制度の改善などを政府に提案しました。
同日、秋田県の知事は小泉防衛大臣に自衛隊の派遣を要請し、政府も30日、クマ被害対策に関する「関係閣僚会議」を開催。「ガバメントハンター」と呼ばれるクマを捕獲するための自治体職員を確保したり、警察官がライフル銃でクマを駆除できるようにしたりすることを、11月半ばまでに政府内で検討して結論を出すことになりました。
私も「クマの駆除は猟友会に任せる」という従来の常識にとらわれず、「できることは何でもやる」という姿勢で、「異次元のクマ対策」を行う必要があると考えています。ただし、自衛隊の派遣については、現在の法令の下で隊員ができることは捕獲したクマの輸送などに限られ、銃器を使ってクマを駆除することはできません。仮に法改正したとしても、自衛隊にはクマを駆除するノウハウや装備はなく、一から訓練する必要があります。
また、市町村が「ガバメントハンター」を募集しても、人手不足が深刻化する中で即戦力となる人材が申し込んでくれるかどうかは分かりません。もっとも即効性があるのは、機動隊員などライフル射撃の能力が高い警察官にクマの駆除を担当してもらうことです。「警察の責務」を定める警察法第2条には、「警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ・・・」と書かれており、法令にも沿っています。
31日に農業関係の陳情に訪れた岩手の若手農業者からお話を伺うと、「クマが出るのはどうしようもなく、共存するしかない」と、あきらめの表情でした。人身被害や農業被害を未然に防ぐため、危険を冒してクマの駆除などに当たってくれる関係者の方々には、国として敬意と謝意を表す顕彰制度も設ける必要があります。
高市首相は、トランプ大統領との初の首脳会談で「ノーベル平和賞に推薦したい」と述べました。核実験の再開を表明するなど、世界平和に逆行する言動を繰り返す人物を祭り上げるより、国民の生命、身体、財産を守ってくれる方々にもっと光を当てるべきです。