
1日、臨時国会が召集され、新たな総理大臣に自民党の石破茂氏が指名されました。これに先だち、立憲民主党では野田代表になって初めての「閣議」が開かれ、私は引き続き「ネクスト財務金融大臣」に任命されました。アベノミクスによる「異次元の金融緩和」で日銀が長年にわたり超低金利で国債を大量に買い続けた結果、日本の金融市場は歪み、国の財政は規律を失いました。財政金融政策の正常化に向け、引き続き取り組む決意です。
石破氏も、もともとアベノミクスに批判的でした。総裁選の時は、金融政策の正常化にも理解を示していました。しかし、総裁就任直後に株価が急落したことに焦ったのか、2日の日銀総裁との会談後に、「個人的には、追加の利上げをする環境にあるとは考えていない」と超低金利を認める発言。金融政策に対する姿勢が一変しました。先月27日に終わった「虎に翼」の主人公ではありませんが、「はて?」と首を傾げざるを得ません。
それ以外にも「はて?」と思うことが多々あります。石破氏は、首相就任前の先月30日に記者会見を開き、9日に衆議院を解散して27日に総選挙を実施することを表明しました。つまり、今度の臨時国会は予算委員会などで審議を行わず、1週間程度で終了することになります。総裁選では「予算委員会で、政権は何を目指すかを国民に示した上で信を問うべきだ」と主張すると共に、「首相になってもいない者は解散に言及すべきでない」などと発言し、早期解散を唱える他の候補との違いを強調していました。それにもかかわらず、です。
おまけに総裁選に立候補する際、「裏金議員」について「自民党公認にふさわしいかどうか、議論を徹底的に行うべきだ」と述べていたのに、議論もなく全員公認する方針のようです。総裁選中に自身の目玉政策として挙げていた「アジア版NATOの創設」、「日米地位協定の改定」、「金融所得課税の強化」も、4日の所信表明演説では一切触れませんでした。
所信表明演説では、「ルールを守る」、「日本を守る」、「国民を守る」、「地方を守る」、「若者・女性の機会を守る」を5本柱に挙げましたが、本当の柱は「自民党の議席を守り、首相の地位を守る」ことにあるのではないかと、勘繰りたくなります。
演説のクライマックスで、石破首相は「勇気と真心をもって真実を語り、国民の皆様の納得と共感を得られる政治を実践することにより、政治に対する信頼を取り戻す」と述べていましたが、これと正反対のことをやっていると言わざるを得ません。
私も予算委員の一人です。本来であれば、予算委員会で数々の「はて?」を直接、石破首相に問いただしたかったところです。あろうことかその機会が奪われ、極めて遺憾です。