新しい年度が始まりました。希望に燃えて多くの人が新たな生活を始める時期です。しかし、その出鼻をくじくかのようにガソリン、灯油、食品、紙製品、電化製品など生活必需品が値上がりしています。欧米の景気回復に伴うインフレやウクライナ情勢の悪化により、海外から輸入する原油や食料、資材などが値上がりしたことが主な要因です。
加えて、輸入代金は通常、円をドルなどの外貨に換えて支払うため、円安によって代金支払いに必要な円が増えていることも国内の物価高に追い打ちをかけています。そして、その円安を招いているのが、日銀がこだわる「異次元の金融緩和」による超低金利政策です。28日には約7年ぶりに1ドル125円台の円安となりましたが、そのきっかけは、29日から31日までの3日間、日銀が無制限に国債を買って10年の長期金利を0.25%以下に抑える「連続指し値オペ」を初めて実行すると宣言したことでした。
長期金利が最近上昇傾向にあったため、これに歯止めをかけたい日銀の非常手段でしたが、欧米ではこれとは反対に物価高を食い止めるため金利を引き上げて金融を引き締めようとしていることから、金利が低い円が売られ、より金利が高いドルやユーロが買われて円安が一段と進んでしまいました。
1日、私が座長を務める立憲民主党の「金融政策検討ワーキングチーム」で、日銀の担当者に対し、「金融緩和を続けることで円安による物価高が進むことをどう考えるか」と問いかけましたが、「円安は総合的に見れば日本経済にとってプラス」、「円安を是正するのは日銀の任務ではない」といった国民生活の現状を無視した、冷淡な答弁でした。「物価の安定を図ることを通じて国民生活の健全な発展を図る」という日銀法の定めを軽視しています。
折しも、大手証券会社の幹部が金融商品取引法の「相場操縦」の罪で逮捕、起訴された事件が問題になっています。組織ぐるみで特定企業の株式を買い支え、証券市場における公正な価格形成をゆがめた容疑です。国債も有価証券の一種であり、これを買い支えて国債価格や長期金利を維持する日銀の「連続指し値オペ」も「相場操縦」の罪に該当しそうです。この点につき、法を所管する金融庁は「相場操縦」の罪の要件を満たすことは認めましたが、「正当な業務と解される」として罪の成立を否定しています。
しかし、円安による物価高を招いている日銀の「連続指し値オペ」が果たして「正当な業務」といえるのでしょうか。「異次元の金融緩和」を目標未達のままやめたくない日銀の黒田総裁が、保身のために行っているに過ぎない気がします。金融政策を正常化し、「物価の安定」にたどり着くために必要な政策を、「ワーキングチーム」で早急にまとめたいと思います。