共に前へ安倍首相は18日の記者会見で21日に衆議院を解散することを表明しました。10%への消費増税を1年半先送りし、今後もアベノミクスを進めることについて、国民に信を問いたいとしています。しかし、そこに「大義」は見出せません。

理由を三つ挙げます。

  1. 17日に発表されたGDP(国内総生産)の7~9月の数値がマイナス成長となり、市場の予想以上に景気が悪化しています。しかし、このような場合に消費増税を先送りできる条項を含む法律が前回の解散総選挙の前に成立しており、改めて民意を問い直す必要はありません。
  2.  他方、特定秘密保護法や憲法解釈を変更しての集団的自衛権容認については、民主主義、自由主義、平和主義という憲法の三大原則に関わる重要な問題ですが、安倍内閣は国民の信を問うことなく強引に進めてきました。TPPやエネルギー政策についても安倍政権になって方針が変わりました。信を問うべきは、むしろこれらの問題です。
  3.  衆議院の任期はあと2年もあり、年末の慌ただしい時期に急いで選挙を行う必要はありません。1度の総選挙で約700億円の経費がかかります。そんな大金が自由に使える余裕があるなら、急ぐべきは、住宅再建資金が不足する被災者、米価下落に苦しむ農業者、燃料高・物価高に苦しむ中小企業や生活者などへの支援です。

要するに今回の解散は、安倍首相がこの先4年間も権力を握り、やりたいことを自由にやれるようにしたいという極めて身勝手な理由に基づくものと言わざるを得ません。ねじれ国会の際には「決められない政治」が問題となりました。しかし、今やそれよりひどい、首相独裁の「止められない政治」が加速しています。今回の総選挙では、「止められない政治」に国民がブレーキをかけられるかどうかが最大の争点だと考えます。

「大義なき解散」を「意義ある選挙」に変えるべく、今回も全力で選挙戦に臨みます。多くの皆様の力強いご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。