24日、北京五輪が終わりました。昨年12月に民主党訪中団の一員として北京を訪ねた時は、陸上競技場の「鳥の巣」も競泳施設の「水立方」も工事中で、周辺は資材や工事車両に囲まれ殺風景でした。北京五輪の開会式や閉会式をTVで見ましたが、両建物が五輪のシンボルとして北京の夜空に鮮やかに浮かび上がり、同じ場所とは思えません。

 式自体も、ヒト、モノ、カネが惜しみなく注ぎ込まれ、五輪を国際社会へのPRの場にしようという中国の意図がはっきり伝わりました。特に開会式では、聖火ランナーの元金メダリストを宙吊りにして競技場を一周させたり、少女の歌が吹き替えだったり、少数民族と思われた子供たちがそうでなかったり、国益のために個人の人格を軽視しているように見えました。

 一方で、北京を訪ねた際は、会議やお店で話した人たちの自己主張の強さに驚かされました。私たち国会議員を乗せたバスの運転手がやや乱暴な運転をしたため、これに腹を立てた別の車の運転手がバス側面に車で体当たりを続け、最後にはバスの前に強引に割り込んで追突させて止めるという事件もありました。

 全体主義でありながら個人の自己主張は日本よりも激しい。昨年の訪中時と今回のオリンピックで感じた中国の印象です。