23日、民主党の厚生労働部門・総務部門合同会議では、年金記録確認中央第三者委員会の担当者から、国民年金の保険料を借金して払ったという申立人の主張を退け、「消えた年金」の復活を認めなかった事例の報告がありました。

申立人は、昭和45年ころ、夫が勤務していたクリーニング店の事業主から借金して、未納になっていた約4年半分の夫婦二人分の国民年金保険料を納付したと主張しました。しかし、夫も事業主も既に亡くなっており、ようやく連絡が取れた亡き事業主の奥さんからも有力な証言が得られませんでした。また、申立人自身も40年近くも前のことなので当時いくらぐらい保険料を支払ったのか記憶が定かでありません。こうした事情を踏まえて第三者委員会は申立人の主張を退けました。

確かに、申立人の主張が正しいという決定的な証拠はありませんが、逆に申立人の主張が誤っているという決定的な証拠もありません。こういう場合の判断がどうなるのかと私が担当者に尋ねたところ、「各地方の第三者委員会の委員の心証で決まる。」という回答でした。そう言われてみれば、各地方によって申立人の主張が認められる確率にばらつきがあり、例えば岩手県では50%程度ですが、一番低い島根県では15%程度です(7月16日時点。全国平均は45%)

担当者次第で、多額の年金が消えたり復活したりするのはおかしいと思います。第三者委員会は社会保険庁と異なる第三者の立場で消えた年金の被害者を救済することを任務としています。申立人の主張が誤っているという決定的な証拠がない限り、救済するという立場を取るべきです。