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 11日、民主党法務部門会議において、無実の罪で17年半もの間服役させられた菅家利和さんと弁護人の佐藤博史さんからお話を伺いました。

 平成3年12月1日の朝、自宅を訪ねた警察官にいきなり「子供を殺しただろう」と怒鳴られ、肘打ちを食らわされたこと、「保育園の先生の結婚式に行く」と訴えても、「そんなことはどうでもいい」と言われ警察署に連行されたこと、取り調べでいくら罪を否認しても無視され暴行を加えられたこと、長時間の取り調べ後、「どうだっていいや」と自暴自棄になって嘘の自白をしたことなど、冤罪が作られる過程を生々しく語っていただきました。

 私は、「無実を裏付けるために取り調べの状況を法廷で主張したのか」と尋ねましたが、当初の弁護人は菅家さんが有罪と確信していたため、菅家さんが第一審の判決直前に自白を撤回しようとしたのに、弁護人から逆にたしなめられ、裁判所に謝罪の手紙まで書かせられたとのことでした。

 この絶望的な状況を救ったのが最新のDNA鑑定です。今年になって証拠品に残された犯人のDNAと菅家さんのDNAが異なるという鑑定結果が出て、ようやく菅家さんの無実が証明されました。他方、事件は既に時効を迎えており、今後真犯人が見つかっても処罰できません。

 菅家さんも「真犯人は罰せられるべきだ」と語っていましたが、被害者の遺族も同じ思いでしょう。菅家さんや被害者遺族が17年半の間に負った心の傷に時効はありません。DNAという動かぬ証拠がある以上、真犯人だけが時効で救われるのはあまりに理不尽です。