今月から、「しなたけしサロン」と題しまして、しなたけしが皆さまと意見交換するイベントを開いています。
その初回が今月15日に行われまして、この動画はその模様です。

  

  

  

  

  

また、この時のレジュメがこちらになります。

2012/10/15

政治家の役割

衆議院議員        階 猛

 ⒈  政治家の類型
①   一般有権者の選挙で選ばれるかどうか
②   国民の代表か住民の代表か
③   政党に所属するかどうか
④   与党か野党か
⑤   立法府か行政府か
⑥   政局中心か政策中心か
注:政局とは、政治家同士の権力闘争が発動された状況

⒉  旧政権下での政治家の役割
①   官僚内閣制:総理大臣以外の大臣は各省庁の代表者
(議院内閣制:大臣は議会の代表者)
②   省庁代表制:各省庁が業界を通じて特定の利益を代表→族議員化
(国民代表制:議会が国民全体の利益を代表)
③   政府与党二元体制:官僚内閣制の下で与党議員が政府をコントロールする仕組み
→事前審査と党議拘束→国会の形骸化
④   政権交代なき選挙:中選挙区制の下、与党候補者同士が戦う
→政策論議よりも世話活動が重要
⑤   小さな政治:与党は政策より政局、野党は「正論」主張

⒊  政治環境の変化
①   冷戦によるイデオロギー対立→冷戦終結と資本主義の浸透
→ⅰ)国際関係の複雑化、 ⅱ)政権交代への抵抗低下、
ⅲ)アジアの発展と日本の相対的地位の低下

②   高度経済成長→バブル崩壊後の経済低迷
→ⅰ)民間投融資の減少でデフレ継続、ⅱ)公共事業中心の景気対策で国家財政逼迫、
ⅲ)省庁の業界への影響力低下

③   家庭・地域・会社の安定→価値観の多様化と少子高齢化で不安定に
→ⅰ)無党派層増大、ⅱ)セーフティネット強化の重要性、
ⅲ)NPO、ネット、デモ等による社会参加の高まり

⒋  今求められる政治家の役割
①   政務三役が官僚をコントロールする
②   部分最適でなく全体最適を考える
③   他党と建設的に議論し、成果を生み出す
④   有権者との対話を通じ、政策を練り上げる
⑤   目指す国家像と政策体系を示す(図を参照)

⒌  私が政治家として肝に命じていること
「政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い板に力をこめてじわっじわっと穴をくり貫いていく作業である」
(マックス・ウェーバー「職業としての政治」(脇圭平訳))

参照図とあわせて、どうぞご覧ください。