26、27日と連続で財務金融委員会の質疑に立ち、小泉改革によって昨年10月に株式会社に転換した日本政策投資銀行(政投銀)に最大1兆7000億円の公的資本を注入するための法案について質しました。
提案者は、「今回の金融・経済危機で資金繰りが厳しくなった中堅・大企業に対し、政投銀が危機対応業務を円滑に行うには資本を厚くする必要がある」としています。
しかし、危機対応業務という名目でわずか3年ちょっとの間に最大19兆円もの融資や保証などを行うことになっていますが、現在の政投銀の規模(総資産12兆円、職員1300人)に照らしてあまりに目標が大きすぎるではないでしょうか?
仮に1兆7000億円という莫大な出資をしても不良債権が増えれば損失の穴埋めで消えてしまう可能性があります。最悪のケースでは、政投銀のもともとの資本約2兆円まで食いつぶし、経営破たんするリスクもあるのです。

政府は、政投銀が上場した後に株式を売却すればその代金で国の借金を減らせると宣伝してきましたが、経営破たんとなれば救済のために公的資金がさらに使われる可能性もあり、新たな借金が発生しかねません。

新銀行東京は中小企業救済のために東京都が1,000億円を出資して開業しましたが、不良債権の山で経営が悪化し、400億円の追加出資で都民の負担が増えました。今回の政投銀への出資は はるかに規模が大きく、経営破たんすれば国民全体の負担になります。

「100年に1度の危機」をいいことに、全国版「新銀行東京」が生まれかねないという危機感から、本当に民営化を目指すのであれば政投銀に過度の業務とリスクを負わせてはならない、ということを与謝野大臣らに主張しました。