1日に行われた日本シリーズ第5戦、中日が1-0で日本ハムを下し、53年ぶりに日本一に輝きました。この試合のポイントは、8回まで走者を一人も出さず完全試合目前となっていた山井投手を9回に岩瀬投手に交替させた落合監督の采配です。

  それまで完璧な投球をして大記録がかかっていた投手をあっさり代えたことに対し、「非情」とか「ファン無視」という批判もありますが、それは承知の上での采配だったと思います。山井投手の疲労や抑えの切り札である岩瀬投手の実力などを考え、1点を守りきる確率が最も高い方法を選んだのでしょう。私が監督だったら、この試合で負けても次があると考えて続投させていたように思います。  

 プロ野球の世界では、落合監督のように情より理を優先するのが理想の勝負師なのかもしれませんが、政治の世界でこれを行うと、弱者や非効率なものは切り捨てられてしまいます。理想の政治家は、情も理も両方満たす政策を実行できる人間だと思っています。